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核禁止条約、15日交渉 日本・核保有国不参加 被爆者の苦しみ明記

6/15(木) 7:55配信

産経新聞

 【ニューヨーク=上塚真由】核兵器の製造・保管などを法的に禁止する「核兵器禁止条約」の第2回交渉会議が15日から7月7日まで、米ニューヨークの国連本部で開かれる。ホワイト議長(コスタリカ)は5月に公表している条約草案をたたき台に会期最終日までの採択を目指す。3月の第1回交渉会議に続き、核兵器保有国や米国の「核の傘」に入る日本は出席しない。

 条約草案は前文で、広島や長崎を念頭に「核兵器使用の犠牲者(ヒバクシャ)や核実験被害者の苦しみに留意する」と明記し、核兵器の非人道性を改めて指摘。また核兵器の開発、製造、所有、保管、移転、使用、実験など幅広い項目を禁止とした。一方、草案には、禁止条約に有効性を持たせるために不可欠な核兵器保有国の関与について具体策が示されておらず、交渉会議で最大の課題となる。

 広島市の松井一実市長が演説する予定で、長崎市は、被爆者で日赤長崎原爆病院名誉院長の朝長万左男さんを派遣する。

 禁止条約制定に向けた動きはオーストリアやメキシコが主導。国連総会に昨年12月、制定交渉を2017年から開始するとした決議案を提出した。米露が、核抑止力に依存する世界の安全保障の現状を考慮していないと反対する中、途上国を中心に113カ国の賛成多数で採択された。

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 ■NATO、NPT懸念…難航も

 【ニューヨーク=上塚真由】「核兵器禁止条約」の制定推進国は、核兵器を非合法化する史上初の国際条約成立を急ぎたい考えだが、条約草案の焦点や課題は少なくなく、交渉会議は難航が予想される。

 注目されるのは、条約の柱となる禁止対象だ。条約草案では、焦点の一つだった「核兵器の使用による威嚇」の非合法化は含まれなかった。「核の傘」に入る国々に参加を促すための配慮とみるむきはあるが、より厳格な内容を求める参加国は多い。

 また「核兵器の直接および間接的な移送禁止」が盛り込まれ、米国が核兵器を配備する北大西洋条約機構(NATO)加盟国の参加が困難となった。NATOで唯一交渉に参加するオランダの対応が注目される。

 条約草案では、米露など5大国だけに核保有を認める核拡散防止条約(NPT)の重要性に言及し、禁止条約はNPT体制を補完するものと位置づける。だが、草案には、NPT体制下のような厳格な検証措置が盛り込まれておらず、軍縮専門家は「NPT体制を損なう」と指摘。会期中、法律の専門家も交えた草案の練り直しが迫られそうだ。

 草案は発効要件に関し、「40カ国の批准」が必要と明記するが、一部の参加国は「国際条約として重みがない」と反発。65カ国とした化学兵器禁止条約と同程度の発効要件を求める声が上がっている。

最終更新:6/15(木) 7:55
産経新聞