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日本ヒューレット・パッカード、妥協のないストレージ機能を備えたHCI「SimpliVity 380」

6/15(木) 16:04配信

Impress Watch

 米Hewlett Packard Enterprise(HPE)の日本法人である日本ヒューレット・パッカード株式会社は15日、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)製品「HPE SimpliVity 380」を国内で提供開始すると発表した。

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 SimpliVity 380は、2Uサイズのラック型サーバー筐体を利用したHCI製品。HPEのベストセラーサーバー機である「HPE ProLiant DL380」のハードウェアに、HPEが1月に買収を発表した米SimpliVity社のソフトウェアを搭載して提供されている。一般的なHCI製品と同様、サーバー機能とストレージ機能、ネットワーク機能などが統合されており、VMware vSphereの仮想マシン(VM)を集約して動作させることが可能だ。

 日本ヒューレット・パッカード データセンター・ハイブリッドクラウド製品統括本部 統括本部長の本田昌和氏は、「現在はインフラの準備に時間をかけている時代ではなく、クラウドだけではなくオンプレミスでもそうした環境が求められている。自社のビジネスを早く展開する、ハイブリッドITをシンプルに提供するかが必要となっており、HCIはそうしたニーズに応えられる」と述べる。

 しかし一方で、「これまでのHCIは、爆発的に伸びていくデータをきちんと保護して活用するためのインフラになっていなかった。SimpliVity 380はいかにデータ管理をしていくか、という点で実用性を高めた製品だ」と述べ、他社との差別化ポイントをアピールした。

■データ管理の実用性を提供する3つのポイント

 本田氏がアピールする“データ管理の実用性”とは、いったいどういう点であろうか。これは主に、1)管理のシンプルさ、2)専用ハードウェアによる高い処理性能、3)バックアップやディザスタリカバリの容易さ、といった3つにまとめられる。

 まず1)は、SimpliVity 380では特別な管理ツールを持たず、VMwareの純正管理ツールであるvCenterにプラグインを導入するだけで、vCenterからすべての管理作業を行えるという点だ。さらに、すべての管理操作をVM単位で行えるので、非常にわかりやすい点もメリットという。

 2)では、FPGAを備えた専用アクセラレータカードやハードウェアRAIDコントローラを搭載し、ハードウェアによって圧縮や重複排除の処理を行っている。ハードウェアに処理をオフロードしているだけでなく、重複排除判定を行うデータの大きさをかなり細かくしていること、ディスクに書き込む前に判定処理を行っていることなどから、本番環境でも性能の劣化をほとんど起こさずに圧縮や重複排除の処理が可能。さらにデータ量の削減効果も、一般的なHCI製品と比べて約2倍となる60~70%となっており、高い効果を得られるとした。

 日本ヒューレット・パッカード データセンター・ハイブリッドクラウド製品統括本部 サーバー製品本部の本部長、中井大士氏は、「HCIはサーバーとストレージの機能が統合されているが、一緒になっている代わりに、妥協しなければいけない部分があった。例えば重複排除機能は、搭載はしているものの性能の劣化やCPUリソースの専有が大きいといった理由で、本番環境で使えていなかった。また、サーバーのCPUをストレージ処理に使わなくてはならなくなることから、VMの集約率も低くせざるを得なかった」との現状を指摘。

 これに対してSimpliVity 380では、「アクセラレータとRAIDコントローラがストレージ処理を行うので、処理も安定するし、VMも多く収容できる。利用用途として、エンタープライズでは従来、VDI(仮想デスクトップインフラ)がほとんどだったが、重複排除を利用してもI/O性能がほとんど落ちないことから、さまざまな用途での利用が期待できる。妥協のないストレージ機能をHCIでも提供できるようになった」と述べた。

 3)も重要な点だ。HCI製品では一般に、サードパーティのバックアップ製品を利用してデータバックアップ/リストアやディザスタリカバリ(DR)を行っているケースが多いというが、SimpliVity 380はバックアップやDRの機能を標準で搭載しているため、別途購入したり導入したりする必要はない。

 中井氏は、「重複排除でデータが小さくなっていればバックアップ時間も短くなるし、vCenterを用いたVM単位の管理により、ストレージやLUNといったことは意識せず、簡単にバックアップやリストアを行える。1TBのVMを約1分でバックアップでき、性能にも影響を与えないことから、10分に1回バックアップするといったポリシー設定も可能。DRも容易に行える」と、この製品ならではのメリットを説明している。

 なお、SimpliVity 380は最小2ノードからの導入が可能なほか、オンラインでの増設や切り離しにも対応。さらに、「ストレージ容量は十分足りているがメモリやCPUの能力が不足している」といった場合は、x86サーバーを追加すれば、特別なライセンスを購入することなく処理能力を増強できるとのこと。

■全方位へのHCIの販売を目指す

 SimpliVity 380のラインアップは、搭載するディスク(SSD)の本数が異なる3種類が用意されており、1.92TB SSD×5を搭載する小規模向けで1ノード677万7000円(税別)から。

 販売対象としては、企業の支社・拠点などへの小規模に加えて、エンタープライズも対象にする。

 日本ヒューレット・パッカードではHCI製品として、「HPE Hyper Converged(HC)」のブランドでMicrosoftやVMwareとの協業製品を提供してきたが、「これまでの当社のHCIビジネスでは、『パブリッククラウドも検討したけど、素早く実装できて簡単に運用管理ができるなら導入してみようか』といった、小規模拠点への導入が多かった」(中井氏)という。

 今後も、より統合化が進んだ製品として、この領域へSimpliVity 380を紹介していくとしたが、HCIの課題だったデータ管理の実用性を克服したことを受け、エンタープライズへの販売を展開したい考えを示す。

 中井氏は「エンタープライズではこれまで、市場が盛り上がっているように見えても、VDI用途がほとんどだった。今後は適用領域を全方位に拡大し、例えば、データセンターでさまざまな運用サービスを提供されているようなお客さまにも拡販していきたい」と述べた。そのために、パートナーとも密接に協業を進めるとのことで、発表時点では、CTC、SCSK、JBCC、ソフトバンクC&S、日商エレの5社からエンドースメントが寄せられていた。

クラウド Watch,石井 一志

最終更新:6/15(木) 16:04
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