ここから本文です

自動車業界、女性の活躍加速 柔軟な発想で働き方改革

6/15(木) 7:55配信

産経新聞

 ■日産「工長」、ホンダは「主任研究員」

 自動車業界で女性の活躍が加速している。日産自動車はグループで初めて生産現場の工程を監督する「工長」に起用し、ホンダでは研究所の主任研究員が誕生した。管理職に占める女性の割合が高まる中、生産や研究の現場でも柔軟な発想を発揮し、働き方の変革に弾みをつけている。(会田聡)

                   ◇

 日産追浜工場(神奈川県)の生産ラインを流れる主力小型車「ノート」などを、真剣なまなざしでチェックする。ライン作業を担う組立課の品質グループ工長、渡辺亜希子さんは「作業中に付いた車体の傷などの原因を探り、品質改善につなげる。犯人捜しみたいな仕事です」と笑う。

 平成11年の入社以来、主にドア部品を組み付けるライン作業を担当。毎分1台分のペースで部品を組み付ける作業は体を酷使する。当時ラインで働く女性は100人中2人程度だったが「できないと思われたくなかった。女性の仕事を開拓する挑戦の気持ちだった」と実績作りに励んだ。

 こうした仕事ぶりが評価され、生産性改善の部署などを経験する一方で、女性向け休暇制度を利用しやすくする要員の確保を上司に訴え、働きやすい職場づくりにも取り組んだ。

 昨年10月、約2800人が働く追浜工場を含む日産の全生産拠点で初の女性工長に就任し、50代を含む12人の部下の評価も担う。渡辺さんは「男性でも年配になると作業は大変になる。女性に偏らず、みんなに還元する改善を訴えたい」と話す。

 「伝わらないもどかしさを解消したかった」

 ホンダ子会社、本田技術研究所四輪R&Dセンター主任研究員の多田寛子さんは、新たな技術評価の手法を生み出した経緯をこう振り返る。

 12年に入社以来、ほぼ一貫して車内の騒音・振動を減らす技術を担当。22年から騒音などの原因をコンピューター上で評価する新手法開発の責任者を任された。ただ、社内では応援がある一方「新しいものへの抵抗は、手法にも(女性リーダーという)性別にも感じた」と打ち明ける。

 こうした中で、自ら新手法を実践してアピール。上司ら周囲を巻き込んで、徐々に新手法を普及させた。25年からは全ホンダ車の開発で採用が決まり、従来の文化に風穴を開けた。

 多田さんは仕事で成果を残す一方、幼い娘の母親としての顔も持ち毎週末は地域の勉強会にも参加する。27年には現職に就き、管理職となった。多田さんは「勉強会で身に付けた聞く姿勢を生かしている。ワークライフシナジー(仕事と私生活の相乗効果)です」と笑顔を見せた。

最終更新:6/15(木) 8:42
産経新聞