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「共謀罪」異例の採決省略 自民幹部も「やり過ぎだ」

6/15(木) 19:52配信

朝日新聞デジタル

 与党が「共謀罪」法を成立させるために国会の基本的な手続きを省いたことについて、野党が批判を強めている。安倍政権の強権姿勢のあらわれだとして、23日告示の東京都議選でも訴える構えだ。与党側は正当性を主張するが、選挙戦への波及を懸念する声も出ている。

 与党は15日未明の衆院本会議で野党4党が提出した安倍内閣不信任決議案を否決。その後の参院本会議で、法案を付託した委員会採決を省略する「中間報告」を用いて同法を成立させた。中間報告は、同法自体には賛成した日本維新の会も「正当性を欠く奇手」(片山虎之助共同代表)と指摘する異例の手続きだ。

 民進の蓮舫代表は15日午後の記者会見で「自分たちに都合の悪いことは先送りし、都合良く通したい法案は数の力で立法府の立場を踏みにじっても通していく強行政治であることが明らかになった」と指摘。「国政と都政は違うが、この問題は(都議選で)高らかに訴えていきたい」と語気を強めた。

 共産の穀田恵二国会対策委員長は「委員会審議を事実上封殺した暴挙で、許しがたい」と批判。「国会を閉じれば逃げ切れると思っているかも知れないが、そうじゃない」と述べた。自由の玉城デニー幹事長は「法は問題だらけ。国会外で声を上げ、廃止を目指す」。社民の照屋寛徳国対委員長も「市民運動を巻き起こしていく」と述べた。

 一方、自民の二階俊博幹事長は「(中間報告は)国会のルールで認められている。強行でも何でもない」と記者団に強調。公明の漆原良夫・中央幹事会会長は会見で「(野党が)廃案路線でぶつかってきた。東京五輪で(テロから)首都を守り抜く姿勢を示すにはこの方法しかなかった」と語った。

 ただ、自民幹部は「普通にやれば済むことで、やり過ぎだ」と指摘。与党が多数を握る委員会で採決したうえで、本会議で可決して成立させるべきだったとの認識を示した。公明議員からも「(強硬姿勢が際立って)よけいに傷つく」との声が漏れた。

 都議選への影響について、自民都連会長の下村博文・同党幹事長代行は記者団にこう語った。「丁寧に説明していけば、都民のみなさんには必ず分かって頂ける」

朝日新聞社