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『Detroit Become Human』無数の選択肢から紡がれる、プレイヤーの選択の物語。アンドロイド解放のシーンで語られた、本作のプレゼンをリポート【E3 2017】

6/15(木) 20:02配信

ファミ通.com

文・取材:編集部 世界三大三代川

●あなたは、どの行動を選択しますか?
 現地時間2017年6月13日から15日にかけて、アメリカ・ロサンゼルスにて行われるE3世界最大級のゲームの見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2017。ソニー・インタラクティブエンターテインメントから発売予定のプレイステーション4用ソフト『Detroit Become Human』(以下、『Detroit』)は、『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』や『BEYOND: Two Souls』を手掛けたQuantic Dreamによる新作だ。2017年の“PlayStation Media Showcase”にて最新映像が公開された本作について、エグゼクティブプロデューサーを務めるGuillaume de Fondaumiere氏によるプレゼンテーションが行われた。プレイヤーによって、物語が多彩に変化していくという本作の魅力をお伝えする。なお、本作はプレイステーション4 Proに対応。プレイステーション4 Proならば、4KHDRの画質で楽しめる。

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 Guillaume de Fondaumiere氏によれば、『Detroit』のジャンルは“ニュー・ノワール・スリラー”。テクノロジーが進んだ未来で、タイトル通りデトロイトが舞台になる。本作の世界では、人間の形をしたアンドロイドが一般に普及をしており、しかも、その行動は人間とほとんど変わらないという。だが、ゲームが始まると、アンドロイドの一部に異常な行動が見られる。なかには、感情を持つようなアンドロイドも出現し、自分の社会的地位を疑い始める者も(アンドロイドが感情を持つことを禁止されているそうだ)。人間社会では、そういった反抗するアンドロイドが出始めたという噂が広がり、自分の家で使用人として使っているアンドロイドにですら、信用していいのかと疑いを持ち始めてしまう。本作は、そんな世界の物語が描かれる。

 本作には、3人の主人公が登場し、それぞれの視点からストーリーが語られる。主人公は全員アンドロイドで、ひとりが女性型アンドロイドのカーラ、もうひとりが刑事として捜査などをするコナー、そして最後が先日の映像で初公開となり、本記事で紹介するパートの主人公を務めるマーカスだ。主人公は全員アンドロイドで、プレイヤーは彼らを操作しながら、ときに彼らの運命を左右する重大な決断を求められる。どんな行動を取るかによって運命(=物語)は変わっていくが、選んだ結果によっては彼らが命を落とす可能性も。なお、マーカスを演じるのは、実在の俳優、ジェシー・ウィリアムズ。マーカス、コナーそれぞれの最新映像もあるので、合わせてご覧いただきたい(どちらも英語だが)。

 マーカスは、アンドロイドの所有者に反抗心を抱き、自由を求めて逃げ出したアンドロイドたちが集うグループに入っている。このグループとしては、「我々(アンドロイド)は奴隷、物体ではない」と社会にメッセージを発したいと考えており、今回のプレゼンテーションで行われたシーンでも、マーカスたちがショーウインドウに並んでいるアンドロイドたちを解放し、社会にメッセージをいかに発するかということを目指すことなる。ただし、そのメッセージの発しかたもプレイヤーの選択次第。平和的に行うか、暴力的に行うか。その行動によって、以降の物語が大きく変わるわけだ。なお、今回のプレゼンテーションでは、物語がどう変化していくかを、2種類の方法で見せてもらったが、もちろん物語の分岐が2種類というわけではなく、もっともっと多彩に分岐をしていくという。

 今回見せてもらったシーンは、“PlayStation Media Showcase”で公開された映像と同じ場面。マーカスは、ノースという女性(アンドロイド)とともに、ショーウインドウに並ぶアンドロイドの解放を目指していく。アクションが必要なところでは、Quantic Dreamの作品らしく、『HEAVY RAIN』や『BEYOND』のように、L2ボタンを押しながら×ボタンを押し、アナログスティックを傾ける……といったユニークな操作を求められる。なお、本作は箱庭とまではいかないが、ある程度、自由に行動ができるようになっており、ノースが進んでいく方向とは別のところを目指したり、目的とは関係のないアクションなども取れる。ただし、それによって、よくない未来が訪れる可能性もあるのだが。

 アンドロイドショップの前に来たマーカス。彼は、周囲にいるアンドロイドの肩に手を置き、「キミは自由だ」と語りかける。すると、周囲にいたアンドロイドは呆然とした表情になったのち、何かを悟ったのか無言でうなずき、どこかへ消えていく。これこそがマーカスの特殊能力。彼は、人物や物体にコンタクトすることで、感情を持たせることができるようになるという。その対象がアンドロイドならば、反抗心を持たせることにつながるというわけだ。記者は、この能力について「彼の能力は反抗心を持たせるだけで、マーカスによる洗脳ということではないのか」と聞いたところ、「あくまで物体に感情を持たせる能力」という回答をもらった。ということは、なかには反抗心ではない感情を持つアンドロイドなども出るのだろうか。

 こうして、ショップの周辺を無人にしたマーカスは、ショップの内部を分析していく。R2ボタンを押すと、周囲一帯からインタラクション(干渉)できるものを探し出せるのだが、ここでマーカスは監視カメラを分析し、そこにつながったセキュリティネットワークを見つけ出す。地中に埋まった赤いラインで示されたセキュリティネットワークをたどると、配管工事を発見。工事中のふたりのアンドロイドに触れ、彼らを別の場所(マーカスたちがいるアジトらしい)に行かせ、ショップへ戻ろうとする。しかし、そこで怪しい動きをしていたことが巡回をしていた警察のドローンに見つかってしまい、パトカーが駆けつけてくる! 焦るマーカスたちが取れる行動はいくつかあるのだが、Guillaume de Fondaumiere氏はミッション放棄を選択。その場から逃げ出した。マーカスは「俺のミスだ」と自分を責め、ノースも彼を何をやっているんだと責め立てつつも、自分たちの運命を握っているのはマーカスなんだと、自覚をうながす。けっきょく、彼らはミッションに失敗。それでも物語は続いていくのだが、最初のケースはこれで終了。ここからどう物語が続くのかも気になるところだ。

 そして、Guillaume de Fondaumiere氏は、ドローンに見つかってしまったことが失敗の原因だとし、今度はドローンを破壊する行動を選択。ドローンの巡回ルートを見つけ出し、ドローンに飛びかかれる場所を探っていく。2016年のデモでは、刑事のコナーがいろいろな証拠を調べる中で、犯人の説得成功率を上げていったが、マーカスの場合は、成功ルートをあらかじめ見つけて進めていくようだ。コナーに成功率が表示されるのは、分析などが得意な彼ならではの能力らしい。

 今度はドローンに飛び乗って破壊を成功させたマーカスは、その後、トラックをハッキング(本当はそのあいだの過程があるのだが、今回はカットされた)。トラックに乗り込み、アンドロイドのショップに一気に突っ込む! セキュリティシステムを切った状態で突っ込んだことで、警報なども鳴らないようだ。マーカスは意気揚々と立ち並んでいるアンドロイドたちにつぎつぎと触れて、目覚めさせていく。10数人のアンドロイドを解放したのち、マーカスは彼らに演説を始める。それは、自分も同じ奴隷、物体としての扱いを受けていたこと。しかし、いまは自分の自由を取り戻したこと。君たち(アンドロイドたち)も同じで、求めるなら自由が得られると。結果、アンドロイドたちはマーカスについていくことを決意。いっしょに街中へ飛び出していく。

 その後、マーカスは街のあちこちの窓ガラスを割り、革命のシンボルだというマーク(いくつかの候補から選択できた)をベンチやショップにマーキングしていく。先ほど解放されたばかりのアンドロイドたちもマーカスにならい、同じように街を破壊。爆弾のようなものも使い、街はどんどんと破壊された状態に。この行動が冒頭に書いた社会へのメッセージのひとつ。今回のマーカスは窓ガラスを割るといった暴力行為を取ったが、平和的な選択もできるようだ。なお、こういった行動を取るたびに、画面にはPACIFIST(平和主義者)とVIOLENT(暴力的)というゲージが表示され、今回の例で言えば、どんどん赤いVIOLENT寄りに進んでいっていた。平和的なメッセージがどんなものかはわからないが、人間とアンドロイドのこじれた関係を覆すには、よほど強力なメッセージが必要なのかもしれない。

 かなりの破壊行為をした後、ノースの「彼らがやってくる」というセリフを機に、マーカスたちは移動を開始。すると、誰にやられたのか、死んでいるアンドロイドが見つかる(本来ならば“破壊されている”なのかもしれないが、表現的には“死んでいる”がふさわしい演出だった)。その先には、アンドロイドの集団。犯人を捕らえているのか、誰かを囲っているように見える。マーカスがそこへ近づくと、横のアンドロイドからハンドガンが渡され、マーカスはその中央にいる誰かに銃口を向けーー。というところで今回のデモは終了。

 この暴力的なメッセージを出すか、平和的なメッセージを出すかで、世界全体の反応が変わり、コナーなどにも影響を与えるのだそうだ。デモの終了後、メディアへの質疑応答が行われた。その中のいくつかをピックアップして紹介する。

Q PACIFISTとVIOLENTのゲージがあったが、どちらかに寄ることで、できる行動が変わったりするのでしょうか?
A 選択肢は基本的に同じです。ただし、あまりにVIOLENTに寄りすぎると、戻れなくなります。

Q 今後、現実の未来でも起こりそうなストーリーだが、現代社会にインスピレーションを受けて開発をしたのか。
A 30年後か、何年後かわからないが、こういった変化が起こるだろうということは、いろいろな場所で言われている。自分たち(Quantic Dream)はこういうシチュエーションを作るだけで、判断に対する正解などは出さない。こういう状況を見せて、プレイヤーは3人のキャラクターを使って、自分ならどうするかという行動を考えてほしい。

Q 主人公3人のパーソナリティーは?
A カラーの能力はまだ話せない。コナーはハンターであり、警察。マーカスはまだあまり言えないが、前世と呼べるものがあった。反抗心を持つ前は、違う人格だった。3人ともまったく違う視点を持ってゲームに登場する。社会の役割も違うし、それぞれの経験を持っているので、まったく異なる視点で物語が楽しめる。当初は主人公の数はもっと多かったのだが、3人に絞った。違う立場を持つ3人ならば、それぞれ違うアプローチができて、もっと広い視野で物語が語れる。

 E3などの大きなショウのたびに新たな主人公と物語が公開されてきた『Detroit』。ついに3人目の主人公となるマーカスが公開されたが、彼の立ち位置、物語はこれまでのものとは大きく違っていた。それぞれの異なる立場からどんな物語が紡ぎ出されるのか。記者は、Quantic Dreamの中でも『HEAVY RAIN』が大好きで、あまりのおもしろさと衝撃に夢中になって遊んだことを覚えている。今回の『Detroit』は、すでに『HEAVY RAIN』と同じように、先を見てみたいという興味が止まらない状態になっている。どれだけの分岐が用意され、どれだけの展開が楽しめるのか。発売が楽しみだ。

最終更新:6/15(木) 20:02
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