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「冬のソナタ」のユン・ソクホ氏、邦画で映画監督デビュー!「心に吹く風」が17日公開

6/16(金) 11:03配信

スポーツ報知

 韓国俳優ペ・ヨンジュン(44)主演で日本でも大ヒットした「冬のソナタ」(02年)の監督として知られるユン・ソクホ氏(60)が初メガホンを執った「心に吹く風」が17日公開になる。韓国ドラマ界の巨匠が、なぜ邦画で映画監督デビューすることになったのか。韓流ブームをリードしてきた者から見て昨今の日韓がどう映っているのか、聞いてみた。

 ユン監督に会ってみると低音が心地良い美声の持ち主で、物静かで目が優しい。改めてこのたたずまいが「冬ソナ」の世界観にも投影されていた印象を受ける。

 ―なぜ初メガホンが日本映画に。

 「若い頃、自分の意図するものを主張して生きてきた。“冬ソナ”でも偶然を扱ったが年を重ね、最近はもっと偶然を大事にしたくなった。偶然が偶然を生む流れ。その流れに任せ、流れに乗って生きることも大事にするべきと」

 ―その「偶然」とは。

 「10年くらい前、深田誠剛さん(今作プロデューサー)と食事する機会があり、映画の話を頂いた。いい交流を続けてきたので、作家性を大事にしてくれるこの人となら、映画を作れるという確信が生まれた」

 ―日本で撮影しての驚きは。

 「最初は韓国に比べ、全員が控えめだね。でもみんな何か秘めた強い思いを抱えている。その抑制された感情が勉強になった。私は、あえて慣れない場所に入り、自分の培ってきた感覚が撮影でどう変化し、作用するのか。自分自身に対する好奇心もあった」

 ―それは出演者を見ていても感じたか。

 「感じます。最初は主人公を演じる2人に感情をもっと表に出してほしいと伝え、実際に違うタイプの演技も撮った。でも、編集過程でどんどん余計なものは落とした。結果として抑制された芝居の方がいい、ということに気づいた」

 ―もう15年たつが、なぜ「冬ソナ」はブームになったと思うか。

 「最初、自分のドラマが字幕や吹き替えで見てもらえると思わなかった。単純に初恋を描いたからでなく50、60代のおばさまたちの懐かしさを呼び起こした。純粋に生きることが美しいと思えた時期に団塊の世代は忙しく懸命に、大事な感情を振り返らずに生きてきたから」

 ―いま韓流ブームは下火。最近の日韓を見ていてどう思うか。

 「“冬ソナ”は政治にまで影響を与えたケース。影響を受けざるを得ない部分もあるが、政治と文化は別であってほしい。そのために文化人が踏ん張り、屈せず積極的に作品を作り続けることだ」

 ―今作を韓国でも上映したい、とのこと。

 「その通り。今秋公開を目指し、私自身も配給に携わる。これを見て韓国から北海道のロケ地に来る人が増えればうれしい。再びつながりが強まって、広がってほしい」

 ―日本で興味のある俳優はいるか。

 「男として、とても魅力を感じる俳優は浅野忠信さん。女優は作品名は忘れたが明るさの中に悲しさを感じた松たか子さんが気になるね」

 ―今後、ドラマと映画と両方でやっていくのか。

 「韓国ドラマは日本より作るスピードも速く、視聴率もプレッシャー。でもドラマを30年やってきて大衆媒体のテレビが持つ温かさが好き。でも今回、映画に踏み込むことができた。やりたいことはたくさんある。いま、もっともっと映画について知りたい欲求に駆られていますよ」

 ◆あらすじ

 心に吹く風 大人の純愛ラブストーリー。舞台は北海道の富良野、美瑛。ビデオアーティストのリョウスケ(眞島秀和)は友人の住む北の地で作品作りの撮影を続けていた。ある日、車の故障で電話を借りるために一軒の家を訪ねた。そこは高校時代の恋人で、今も思い続けていた春香(真田麻垂美)の家で、23年ぶりの再会を果たす。リョウスケは、彼女が結婚していることを知りつつも、撮影に同行してほしいと伝える。新宿武蔵野館他、全国順次公開。

 ◆ユン・ソクホ 1957年6月4日、韓国・ソウル生まれ。60歳。テレビドラマの演出家、監督。“冬ソナ”以外にも2000年「秋の童話」、03年「夏の香り」、06年「春のワルツ」と“四季シリーズ”を手掛け、アジアでヒット。12年にはチャン・グンソク主演「ラブレイン」を監督している。

 ◆ワンポイント

 眞島秀和(40)との共演で昔の恋人を演じているのが真田麻垂美(ますみ、39)。96年に山崎まさよし出演の映画「月とキャベツ」でヒロインを演じたことでも知られる。米国留学、結婚、出産を経て16年ぶりの仕事復帰。ワークショップ形式でのオーディションで春香役に選ばれた。上品で華やかな容姿は健在。抑制の利いた演技で、16年ぶりと思えない存在感を見せている。

最終更新:6/16(金) 11:03
スポーツ報知