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損害ある限り賠償 小早川智明次期東電社長に聞く

6/15(木) 8:34配信

福島民報

 東京電力ホールディングス(HD)次期社長の小早川智明氏=東京電力エナジーパートナー社長=は福島民報社のインタビューで、福島第一原発事故に伴う賠償について「損害がある限り賠償していく方針に変わりはない」と強調した。(聞き手・編集局長 鞍田 炎)

 -原発事故に伴う避難区域外の農林業者への損害賠償を巡り、県原子力損害対策協議会と県は、来年1月以降の賠償案を早急に提示するよう求めている。賠償に対する東電の姿勢や基本的考えを改めて伺う。
 「損害がある限り賠償していく方針は変わらない。農林業者への賠償案は現時点でいつとは言えないが、できるだけ早く示したい。7月以降、しっかりと検討したい」

 -内堀雅雄知事や県議会は福島第二原発の全基廃炉を求めている。次期社長として、どのように考えるのか。
 「大変大きく難しい判断になる。地元の意見や国のエネルギー政策、福島第一原発のバックアップ機能などを総合的に勘案して判断していきたい」

 -具体的にいつまでに判断するのか。方針として全基廃炉を打ち出すことがなぜできないのか。
 「原子力事業は40年で廃炉になり、(運転継続には)新規制基準をクリアしないといけない。会社全体として技術的資源がどうなるのか、どの程度の投資をしなければならないかなど、原子力事業の今後の在り方を考える中で判断する必要があると考えている。時間がかかって申し訳ないが、大きな経営判断になるので引き続き検討していく」

 -再稼働しないと明言できないのか。
 「説明するときは、(福島第二原発だけでなく、東電の)原子力事業の全体像についても説明する必要がある。それが今まで支援してもらった地元の皆さんに対しての誠実な対応だと思う」

 -福島第一原発事故から6年以上過ぎたが、県内の復興は道半ばだ。東電として県の復興にどう取り組むのか。
 「まずは社内の体制づくりを進める。社員一人一人が主体的に取り組む意識をつくっていくことが大切だ。現地・現物主義で現場に足を運び、地元と直接対話する姿勢を全社的に定着させる。廃炉事業や復興事業にも生かしたい」

 -廃炉に向けた体制づくりは、具体的にどう見直すのか。
 「現場作業だけでなく広報の在り方なども含め、組織の壁を撤廃して一体にならないといけない。これまでは各組織がそれぞれ動き、地元の不信を招くこともあった」

 -分社化によって社内の事故に対する風化が進むのでは、との懸念の声も聞かれる。「福島への責任」をどう徹底させるのか伺う。
 「事故の当事者として社内の風化はあり得ない。責任を完遂していく意識を一層高めたい。県民の皆さんには『福島そのものが忘れられる』という懸念があると思う。特に風評対策については、廃炉の現状や復興の姿をきちんと伝えていく」

福島民報社

最終更新:6/15(木) 9:46
福島民報

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