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岐阜市の乳児殺人遺棄から半年 母親の特定難航

6/15(木) 9:54配信

岐阜新聞Web

県警、遺留品新たに公開

 昨年12月に岐阜市の神社境内で生後間もない乳児の遺体が見つかってから、15日で半年を迎える。県警特別捜査本部は殺人と死体遺棄事件として捜査を進めているが、犯人像は見えていない。遺体の入っていたリュックサックにあった物品を新たに公開し、情報提供を呼び掛けている。
 新たに公開したのは、ビューラーと消しゴム1個。100円ショップで売られている商品という。
 特捜本部は現在20人体制で、現場周辺の防犯カメラの分析を進めるとともに、近隣住民や産婦人科のある病院などへの聞き込みを実施。事件について知っている可能性が高い母親の特定に力を入れている。ただ、捜査関係者は「母親を特定すれば、犯人逮捕へ大きく前進すると思ったが、予想以上に難航している」と話す。
 リュックなどの写真を載せたチラシを新たに作成し、14日には、事件現場の熊野神社(岐阜市本荘)とJR岐阜駅北口(同市橋本町)で、通行人らに配って情報提供を呼び掛けた。
 事件は、昨年12月15日、神社境内の木の根元で、白いリュックの中から乳児の遺体が見つかった。へその緒が残ったままで、目立った外傷はなかったが、鼻と口をふさがれて窒息死した可能性が高い状態だった。
 情報提供は特捜本部、電話058(263)0110。

犯人、社会的に孤立か

 岐阜市の神社境内で生まれて間もない乳児の遺体が発見された事件は、半年を迎える今も母親が特定されていない。県警が捜査を進める中、有識者らは「(予期せぬ妊娠を抱えた親が)周囲から孤立しやすい状況がある」と社会的な受け入れ環境をつくる必要性を指摘する。
 犯罪社会心理学に詳しい岐阜大大学院の吉澤寛之准教授は、現場に残されていたリュックサックの中にあったキャラクター柄の消しゴムや若い女性が多く使うビューラーから、若者による犯行の可能性を指摘。「親など周囲に頼れる人がいなかったのではないか」と推察する。
 また、親が育てられない赤ちゃんを匿名で預け入れる施設「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置する慈恵病院(熊本市)では、相談件数が年々増えており、昨年度は過去最多の約6500件。10~30代の女性が多かったという。
 迎田玄洋事務部長は「望まない妊娠などから不安を抱える若者は少なくない」と話し、「昔と比べて地域社会での助け合いが減り、孤立しやすい状況が生まれやすいのでは」と分析する。

岐阜新聞社

最終更新:6/15(木) 11:40
岐阜新聞Web