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万景峰号をメディア初取材。北朝鮮の「謎の船」の実態を詳しくレポート

6/15(木) 6:01配信

ホウドウキョク

今年5月、北朝鮮の羅先(ラソン)とロシア・ウラジオストクの間で定期運航が始まった貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」。国際社会が進める経済制裁の抜け穴になるのではと懸念されている。新航路では初となる乗船取材でその実態を探った。

「万景峰号」一等客室の画像を見る

北朝鮮羅先からロシアのウラジオストクへ……定期航路開設

取材班がまず向かったのは、中国東北部にある吉林省琿春市。
北朝鮮に隣接する街です。
中国側の税関では複数の軍人が警備にあたり、物々しい雰囲気です。
北朝鮮との間を往来する中国のトラックも数多く見られます。
税関の手前にある土産屋では、北朝鮮の海産物や強壮剤となる鹿の角などが売られていました。

税関を抜けた後は、中朝を隔てる河・図們江にかかる新図們大橋を渡ります。
橋の真ん中には線が引かれ、向こうが北朝鮮です。
車は橋を渡りおよそ60キロ、万景峰号が停泊する北朝鮮の街、羅先へ。

北朝鮮の経済特区で、外国からの投資を積極的に呼びかけ、開発に力を入れています。
中国やロシアは羅津港に埠頭を建設。
石炭などを各地に輸出する貿易経由地として活用しようとしています。

羅津港に停泊する船の中で、ひときわ目を引く万景峰号。
「栄えある我が祖国 朝鮮民主主義人民共和国 万歳」
白い船体の側面にはこう記されています。
1971年から10年余り、在日朝鮮人が北朝鮮に戻る帰還事業のため日本と北朝鮮を行き来していました。
老朽化で廃船に近い状況でしたが、今回、ロシアでの定期運航を始めるにあたり全面改修されたのです。

日本製のエアコンに全自動麻雀卓も……謎の船に乗船取材

北朝鮮の羅先とロシアのウラジオストクをおよそ12時間で結ぶ万景峰号。
船内のレセプションには、平壌、ロシア、北京の時刻を示す時計。
売店を兼ねた喫茶室では、コーヒーやお茶が飲めます。
中国製のインスタントコーヒーは1杯10元(約170円)。
支払いは中国人民元、ロシアのルーブル、アメリカドル、日本円など。北朝鮮の通貨ではありません。
女性スタッフは24歳、初運航の時から乗船しています。

苦労はないか尋ねてみると…
「任されたことであれば、党の指示に従い無条件で成し遂げまず。辛いと感じたことはありません」
笑顔でこう答えました。
船内は5階建てで、客室は49室。
一等客室に入ってみると…。
ソファセットに加えて、何故か全自動麻雀卓が置かれていました。
ベッドはシングルで、カラフルな布団と枕が置かれています。

シャワー付きの浴槽。でも水を張って加熱機で温める方式でお湯は出ません。
トイレは和式で水を汲んで流します。水回りの設備は1970年代のままのようです。

金日成主席が視察したというミーティングルームもありました。
そこには古めかしいソファセットのほか、日本語の取扱書が付いた日本製空調機も……。【上記リンク参照】

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最終更新:6/15(木) 6:01
ホウドウキョク