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顔色で“忖度”、「3色型」の目のおかげ 九大など研究班が発表

6/15(木) 9:40配信

西日本新聞

 九州大大学院やカナダ、米国の大学の研究班は、ヒトの目が他の哺乳類と比べ、顔色の変化を見分けるのに適していることを実験で証明したと発表した。ヒトが顔色から他人の感情や健康状態を“忖度(そんたく)”できるのは、目の特性があるためという。学術誌「英国王立協会紀要」電子版に14日、論文が掲載された。

 ヒトや猿といった霊長類の色覚は、青、緑、赤の光の波長に反応して世界を捉える「3色型」。他のさまざまな色も、この働きの組み合わせで把握する。一方、犬や猫など、ほとんどの哺乳類は「2色型」で、青と黄の光の波長に反応して世界を見る。3色型は2色型から進化したとされる。

 研究班は、繁殖期に赤ら顔になるアカゲザルの顔写真を用い、60人に繁殖期と非繁殖期を見分けてもらう実験を実施。通常写真だと正答率はほぼ100%だったが、2色型の目で見えるよう青と黄を軸に補正した写真だと、正答率は約50%にとどまった。

 研究班の九州大大学院芸術工学研究院の平松千尋助教は「3色型は、赤い果実などの餌を見つけるときに役立ち、生存に有用だとされてきたが、コミュニケーションにも役立つことが分かった」と話した。色覚の進化の解明につながることが期待されるという。

=2017/06/15付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:6/15(木) 9:40
西日本新聞