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「自衛隊の存在を書けばそれでいいというものではない」石破氏が語った憲法9条

6/15(木) 6:02配信

AbemaTIMES

 14日、日本外国特派員協会で自民党の石破茂衆院議員が会見を開き、憲法9条について自身の考えを語った。

 石破氏は今月発売の『文藝春秋』誌上などで、安倍総理が示した改憲方針について異議を唱えるなど、“安倍一強“とも言われる党内においての発言が注目されており、来年の党総裁選に向け“ポスト安倍“の一人とも目されている。

 海外メディアの記者から総裁選出馬について問われた石破氏は「自分がそれにふさわしいと自分で納得しなければ出てはいけないもの」と述べるに留まった。

 また、“安倍総理へのアドバイス“を求められると、中谷元元防衛相の“あいうえお“(=あわてず、いばらず、うぬぼれず、えこひいきせず、おごらず)という“アドバイス“について「上手いこと言うもんだなと思った」と話した上で「国会で論戦をするときに、相手の野党を論破すればいいのだとは思っていません。その後ろには必ず国民がいるのだと思っています。その野党の議員の後ろにいる国民に“そうだなあ“と思ってもらえる、そういう説明は安倍さんに限らず、政府にいるものは全力を尽くして、国民の理解に務めなければならないものだ」とコメントした。

 以下、本稿では石破氏のスピーチと、憲法改正についての質疑を紹介する。

▼石破氏のスピーチ

■非常に独特なのは第2項

 急に憲法改正というのがクローズアップされました。5月3日の憲法記念日という日でありますが、その日に我が党の総裁である安倍晋三氏が憲法改正したいというグループにおいてビデオでメッセージを発表され、同じ日の読売新聞で同じ内容をインタビューに応じる形で発表されたということがありました。そこにおいて安倍総裁がおっしゃったのは、憲法第9条の1項と2項はそのまま残し、自衛隊の存在を第3項として明記することは、国民的議論に値するのではないか、とおっしゃったのであって、これでなければならないと言ったわけではありません。

 日本国憲法の原文は英語なので、実は英語で読んでいただいたほうがわかりは早いのではないかと思います。これは9条だけ論じても、あまり意味がありません。イントロダクションというか、前文において何が書かれているかというと、「日本国民は、(中略)平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と書いてあるんですね。つまり、サダム・フセイン氏も金正恩氏も、みんな平和を愛しているのだ、そしてその人たちは公正な人たちであり、信義に厚い人たちである、それを信頼して我々は生存していくのだ、と日本国民は決意したということになっている。

 もしそうでなかったらどうするんですか、ということはどこにも書いていないし、私がいろんな集会で「そういう決意した人は手を挙げて」というと、手を挙げる人はいないんですがね。

 この前文を受ける形で、憲法第9条というのは存在しています。つまり、9条第1項は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」。ずっとやってきたので暗唱できるようになりましたが、そう書いてあるんですね。で、第2項は第1項を受けて、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」というのが憲法9条の規定であります。

 憲法9条第1項は、不戦条約の規定をそのまま受けたものでありますので、このような規定は多くの国の憲法に存在するものであって、日本国憲法だけのユニークな規定ではありません。

 9条1項にいう「国権の発動たる戦争」とは一体何か。最後通牒を発出して、宣戦布告を行うことによって遂行される国際法上の正規の戦争のことを「国権の発動たる戦争」と申します。「武力の行使」というのは、最後通牒も発出していないし、宣戦布告も行っていないのだが、実際に行われている戦争のことであって、この両者にそんな本質的な差異があるものでございません。「事変」といわれる…「日華事変」とかですね、戦争ではないか実際に戦争を行うことを「武力の行使」といいます。

 「国際紛争を解決する手段としては」、ということはどういうことであるか。国または国に準ずる組織同士において行われる、領土等をめぐる武力を用いた争い。これが「国際紛争」の定義です。何かややこしい話をしやがるな、とお思いでしょうが、ことは法律なので、きちんと定義を押さえないと議論になりませんので。「国際紛争」っていうのはそういうものでありまして、それを「解決する手段としては、永久にこれを放棄する」ということですから、わかりやすく言えば、侵略戦争はしません。自衛戦争は行います。自衛権の行使としての武力の行使は行いますというのが9条1項の意味だ、と理解しています。

 ですから9条1項は当たり前のことが書いてあるんです。別に日本独特のユニークな規定ではありませんが、非常に独特なのは第2項であります。

 「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」ということになっています。「その他の戦力」ってなんですかというと、これはヒトラー・ユーゲントのようなものでありまして、義勇兵や義勇軍みたいなものが「その他の戦力」を意味するのであります。そういうものは持ちませんよ、と言っているわけですから、F-15戦闘機を200機持っている航空自衛隊は空軍ではありませんね、最新鋭の戦車を有している陸上自衛隊は陸軍じゃありませんね、イージス艦を6隻持っている海上自衛隊も海軍ではありませんね、そういうことになっています。じゃあ一体何?という問いが当然起こるわけで、「軍隊ではありません」「じゃあ一体何?」「自衛隊です」、これは議論にも何もなりません。

 「国の交戦権」って、戦争をする権利のことではありません。戦争の時に用いられるルールが交戦権でございます。物を壊しても器物損壊罪になりません。人を傷つけても傷害罪にはなりません。軍服を着て、明らかに兵士であるということが識別される限りにおいて、捕虜になればジュネーブ条約の適用を受けて捕虜としての待遇を与えられることになります。これを「認めない」と言っているのですから、それがいかに恐ろしいことか、ということを認識する必要があります。

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最終更新:6/15(木) 6:02
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