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自動車交渉が難航 与党内「国益見えぬ」批判 日欧EPA

6/15(木) 7:03配信

日本農業新聞

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉で、日本の“攻めの分野”である自動車などの工業製品の関税引き下げが難航している。EUは乗用車に10%の関税をかけており、撤廃が焦点。だが、日本は環太平洋連携協定(TPP)で米国に長期の関税維持を容認したため、EU側が早期の関税撤廃に難色を示している。一方で、日本の自動車関税は既に撤廃済みで、工業製品分野では交渉のカードがない状況。代わりに農産品の関税引き下げを迫られる構図に持ち込まれている。守り一辺倒の交渉には、与党からも「国益がない」との批判が上がっており、自動車分野が大きな鍵を握っている。

 14日開かれた自民党の日EU等経済協定対策本部の作業部会で、経済産業省の担当者は「欧州は関税を持っているのに、我々は鉱工業品分野では関税がほとんどない。これを攻めなければならないので大変なことになっている」と交渉の難航を認めた。

 EUは韓国との自由貿易協定(FTA)で、小型乗用車が5年、中大型乗用車が3年での関税撤廃に合意。2011年7月に適用が始まり、現在はともに関税が撤廃されている。

 一方、日本はTPPで、米国が自動車にかけている2・5%の関税について、25年という長い撤廃期間を認めさせられた。

 日EU交渉は、13日にペトリチオーネ首席交渉官が来日し、事務レベル協議が始まっているが、日本は自動車で、韓国とEUのFTA並みの5年程度の関税撤廃を要求。一方で、EU側はTPPの合意内容を盾に早期撤廃に抵抗しているという。

 作業部会では出席議員から「そもそも不公平な状態からスタートしているのに(農業など)日本の守りの分野だけ関税撤廃のターゲットにされるのでは割に合わない」といった意見が相次いだ。これに対し、経産省の担当者は「『不平等条約』を一掃する意気込みで臨みたい」と応える一方、「(EUを)交渉の土台に乗せることがわれわれの『攻め』だ」とも述べた。

 経産省によると、日本からEUへの輸出額の7割を占める品目が有税なのに対し、EUからの輸入は7割超が無税。EUの関税徴収額は日本の2倍と大きな開きがある。日本はこうした不平等の解消を主張するが、TPPでの大幅な譲歩が裏目に出て、交渉が行き詰まっている。

 自民党農林幹部の1人は「自動車関税は即時撤廃ですら割に合わないのに、交渉するだけで満足しているようでは話にならない。経済外交の失敗の歴史のつけを農業が払わされてはたまらない」と苦言を呈する。

日本農業新聞

最終更新:6/15(木) 7:03
日本農業新聞

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