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婦人服が売れない!ファッションの世界にもシェアリングエコノミーの波

6/15(木) 11:20配信

ニュースイッチ

<統計解説>ファッションレンタルサービスの登場

 バブル崩壊以降、服が売れないと言われている。経済産業省の商業動態統計調査で、百貨店の衣料品販売額の動向を見てみると、ボリュームゾーンである婦人服を含む「婦人・子供服・洋品」の販売額が、バブル崩壊以降大きく減少していることがわかる。

婦人服が売れない!

 需要側から、総務省の全国消費実態調査(総世帯ベース)を見てみると、1世帯当たり1か月間の「婦人用洋服」に対する消費支出額は2004年の3,208円から2014年は3,140円に減少している。購入先別割合を見てみると、百貨店の割合が47.4%から34.0%と13.4%ポイント減少。一方、ディスカウントストア・量販専門店、スーパー、通信販売(インターネット)などの割合が増加している。

定額制ファッションレンタルサービスの登場

 1世帯当たり1か月間の婦人用洋服の「百貨店」における消費支出額は、2004年の1,519円から2014年は1,048円に減少している。世帯主の年齢階級別でみると、特に若い世代における減少が目立つ。

 婦人用洋服は、百貨店よりも量販専門店などで多く購入されるようになっている。特に、若い世代は百貨店で買わなくなっている。バブル崩壊以降、高価格帯の婦人服が売れにくくなっているのは、ファストファッションの台頭によるところが大きいと思われる。

 一方、シェアリングエコノミーの一環として、ここ1、2年の間に、女性向けの「定額制ファッションレンタル」という新しいサービスが立ち上がっている。

 定額制ファッションレンタルでは、多くの場合、会員になれば一定の月額料金で、スマホやパソコンを通じ、日常着る洋服等が借り放題となる。商品の受取や返却は宅急便で行い、クリーニングの必要はない。百貨店等で取り扱われるブランドを中心にスタイリストが服を選んでくれる等、運営会社によってサービスの内容には特徴がある。借りた商品が本当に気に入った場合には購入することも可能。いわゆる試着のようなイメージだ。

 定期購入の側面を持つサービスであることから、ファッションサブスクリプションサービスとも呼ばれている。この新しいサービスが高価格帯の婦人服の売行きにどのような影響を及ぼすのか、現段階ではまだ分からない。

<新サービスの利用者は30歳代>

 従来のファッションレンタル、つまり貸衣装業では、日常的な利用というよりも、冠婚葬祭用など単発の利用を想定したものが中心だった。全国消費実態調査(総世帯ベース)で利用者像を確認してみると、世帯主の年齢別で見た「被服賃借料」の支出割合は、2014年は40歳代が31%と最も大きく、40~60歳代が全体の約8割を占めている。

 一方、女性向け定額制ファッションレンタルの利用者については30歳代の割合が4割強と最も多いという。若い世代の女性たちが、定額制ファッションレンタルサービスを利用することにより、再び百貨店に売っているような高価格帯の婦人服に目を向けるようになるのだろうか。

 また、このサービスを経験した若い世代が衣料品需要のボリュームゾーンの太宗を占めるようになる時代に、衣料品の小売業や貸衣装業という業態はどのように変化しているのだろうか。

METI Journal

最終更新:6/15(木) 11:20
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