ここから本文です

<狭山虐待死>裁判員経験者ら「かわいそう」「懲役13年どうかと」

6/15(木) 22:38配信

埼玉新聞

 埼玉県狭山市で昨年1月、藤本羽月ちゃん=当時(3)=が冷水をかけられて放置されるなどして遺体で見つかった虐待事件で、保護責任者遺棄致死や暴行、逮捕の罪に問われた、母親の無職藤本彩香被告(24)の裁判員裁判の判決公判が15日、さいたま地裁で開かれた。高山光明裁判長は「実母として保護すべき立場にありながら生存に必要な保護をしなかった」と母親の責任を重視し、「無慈悲かつ卑劣で極めて悪質」と求刑通り懲役13年を言い渡した。

 藤本彩香被告の裁判に参加した補充裁判員を含む裁判員経験者8人のうち裁判員経験者の男女3人が15日、さいたま地裁で記者会見し、「児童虐待がなくなれば…」と考え抜いた末に出した判決の理由を語った。

 子どもがいるという40代男性は「とても難しい事件だった」と裁判を振り返る。「私にも子どもがいるが、虐待は理解できない」とした上で、「(世間では)児童虐待が多い。もっと(報道で)取り上げてもらって事件が少なくなればいい。虐待が起きる前にどうにか防ぐことができないのかな」と感想を述べた。

 30代女性は、法廷で見た藤本被告について「若くて幼い普通の女の子。報道で見ていたのとは違った」と印象を話す。このような児童虐待事件を防ぎたいと願うが、「たとえ子どもの(泣き叫ぶ)声を聞いても、それぞれの家庭に事情があり、実際に通報できるかと言えば、できない。警察か、児童相談所か、どこに言えばいいのかも分からない。こういうときにどこに通報するのか、もっと分かりやすくなればいい」と話した。

 別の30代女性は「本当に重い事件。このような事件は、もっと重い刑になるんだと思っていた。(懲役)13年はどうなんだろうと思う」と量刑に疑問を投げ掛ける。自身に子どもはいないが、小学生のめいが2人いるという。女性は「なぜ羽月ちゃんにペット以下の扱いができたのか、毎日考えた。本当にかわいそう。これからおしゃれして、友達や彼氏をつくって、結婚して子どもを産んで、という人生が待っていたはず。それが実の親に奪われてしまったのは、あってはならないこと」と悲しんだ。

最終更新:6/16(金) 18:58
埼玉新聞