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米共和党幹部銃撃、容疑者の素顔は

6/15(木) 8:12配信

ウォール・ストリート・ジャーナル

 【ベルビル(米イリノイ州)】野球練習中の米下院共和党幹部を銃撃し、その後警察によって射殺された容疑者の男は、イリノイ州南部で住宅診断士として働いていたことが分かった。容疑者は複数の反共和党グループに所属し、昨年の大統領選で民主党候補の指名を争ったバーニー・サンダース上院議員の陣営でボランティアをしていたことも判明した。

 警察によれば、イリノイ州ベルビル在住のジェームズ・T・ホジキンソン(66)容疑者は14日、野球大会に向けて議員らの練習が行われていたバージニア州アレクサンドリアの球場に入り、ライフルで共和党議員やそのスタッフを銃撃した。複数の参加者が地元の病院に運ばれ、その中には米下院のナンバー3である共和党院内幹事、スティーブ・スカリス議員(51)も含まれていた。

 ホジキンソン容疑者のものと思われるフェイスブックのページには、「トランプは裏切り者だ。トランプはわれわれの民主主義を破滅させた。トランプたちを破滅させる時がきた」と3月22日付で書き込まれている。また同容疑者はその日に、大統領と副大統領を「正式に免職」することを求める請願書に署名していた。

 サンダース上院議員は14日朝、銃撃事件を非難する声明を発表。「共和党議員が野球の練習をする場で銃撃事件を起こしたとされる犯人が、大統領選の際に私の陣営でボランティアをしていたとたった今伝えられた」と指摘。その上で「この卑劣な行為に対して嫌悪を感じている。ここで明白にしておきたいことがある。どのような形であれ、われわれの社会において暴力は認められるべきものではなく、今回の行為も可能な限り強く非難する。真の変化は非暴力的な行動のみで成し遂げられるのであり、それ以外の行為はわれわれが心に深く刻む米国の価値観に反するものだ」とした。

 サンダース氏の広報担当者によれば、ホジキンソン容疑者は選挙期間中のボランティア募集に複数回応募をしてきたが、実際にイベントで活動に加わった記録は残っていなかった。また本人と面識があるスタッフも見つけることができなかったという。

庭で射撃訓練も

 ホジキンソン容疑者の自宅近くに住むビル・ショームレフェルさん(77)は、容疑者はあまり人付き合いもなくトラブルも起こさなかったものの、3月の末に突如「自宅の庭で射撃訓練をする」ようなこともあったと話す。

 ショームレフェルさんは「うちの孫が砂場で遊んでいた時に銃声が聞こえた」 とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に明かした。その際、利用されている銃器が高性能のライフルだと分かったため、孫たちの方を指さし射撃をやめるようホジキンソン容疑者に伝えたという。

 だが先方に聞こえたかどうか、その時は分からないままだった。ショームレフェルさんは警察に通報し、その後は銃声が聞こえることはなかったと話す。1989年からベルビルに住むショームレフェルさんによれば、ホジキンソン容疑者は20年ほど前に現地に引っ越してきた。

 この時の警察の報告書によれば、ホジキンソン容疑者は正当な銃器識別カードを所持していた。また付近には住宅があるため、警察は射撃をしないようホジキンソン容疑者に伝えていた。

 2006年にはホジキンソン容疑者が自宅に侵入し器物を破損したとして、別の隣人が通報をしている。警察の報告書によれば、ホジキンソン容疑者は養女を帰宅させようとしていたと説明している。

 フェイスブックのページによれば、ホジキンソン容疑者は昨年まで住宅診断士や屋内の空気環境を調査するテスターとして仕事をしていた。また南イリノイ大学エドワーズビル校に在籍していたことや、1971年にはサウスウエスタン・イリノイ・カレッジで飛行訓練を学んだとも掲載されている。

 地元紙ベルビル・ニュース・デモクラットのウェブサイトに掲載された記事によれば、ホジキンソン容疑者は複数回にわたって同紙に手紙を送付。「その多くで共和党や税制を批判し、少なくとも1度は大麻合法化を提唱していた」という。

 ベルビル・ニュース・デモクラットに送られたホジキンソン容疑者の手紙は、すべて2012年のものだった。9月12日付けのものではクリントン政権で労働長官を務めたロバート・B・ライシュ氏の著書「余震(アフターショック)」を賞賛。「最も裕福な米国民の税負担を減らしたことが、大恐慌の主たる原因となったと彼は説明している」とし、「これが2007年に始まった大不況の主な原因でもあるとも書かれている」と続けていた。

By Douglas Belkin and Shibani Mahtani