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沖縄発の技術、再生医療普及に一役 低コスト・小規模施設で細胞培養可能に

6/15(木) 10:35配信

沖縄タイムス

 国立沖縄工業高等専門学校発のバイオベンチャー企業、フルステム(那覇市、社長・千葉俊明沖縄高専特命教授)はこのほど、再生医療の普及に向け、低コストで最少の人員で細胞を培養する技術を確立した。年内に自動培養装置を開発する予定で、完成すればクリニックなど小規模施設でも再生治療が可能となる。今後、沖縄発の技術が再生医療の普及につながることに期待が高まりそうだ。

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 再生医療は患者本人の細胞を培養し、体内組織などを修復する治療法。脳梗塞や肝硬変など、さまざまな病気の治療に応用できる。

 医師でもある千葉社長によると、脳梗塞などでの治療には、1回当たり1億個の細胞が必要となる。従来は、1億個の細胞培養には、作業員が最低6人、培養器5台、培養皿も250枚が必要で、年間で約3千万円のコストがかかるという。そのため、培養は一部の大学病院でしか実施できなかった。

 今回の新技術では、培養皿の代わりに医療用の高品質の繊維素材を使用し、培養するのが特徴。高密度で培養できるため、小規模な施設でも簡単に作業ができる。培養された細胞を傷付けずに取り外す技術も確立した。その結果、作業員は1人で済み、施設規模や装置導入費、培養コストは4分の1に、処理能力は4倍に向上する。

 年内に自動培養装置を開発し、2018年度には動物実験で安全性や有効性を検証。数年以内に再生医療現場での実用化を目指す。東アジアなど海外展開も視野に年660億円の売り上げを見込んでいる。

 千葉社長は「通常は300万円くらいの治療費が3分の1以下に収まる可能性があり、高額で再生医療を諦めていた患者でも治療が受けやすくなる」と強調。「国内大手企業や複数の大学から技術提携の依頼もある。再生医療が一般化すれば、さらにコストが下がるだろう」と話した。

最終更新:6/15(木) 10:35
沖縄タイムス