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【コラム】イングランドに「黄金世代」到来の予感…ユースの各世代で“金の卵”が躍動

6/15(木) 17:59配信

SOCCER KING

 韓国で開催されたFIFA U-20ワールドカップは、イングランドの初優勝で幕を閉じた。6月11日に行なわれた決勝戦の相手はU-20ベネズエラ代表。堂安律(ガンバ大阪)や久保建英(FC東京)らを擁したU-20日本代表を16強で破った南米のダークホースを1-0で撃破した“サッカーの母国”は、1966年ワールドカップ以来、51年ぶりにFIFA主催の世界大会で頂点に立った。

 そんなチームを牽引したのが、過去にアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(2005年)やフランス代表MFポール・ポグバ(2013年)も受賞したゴールデンボール賞(大会MVP)に輝いたU-20イングランド代表FWドミニク・ソランケだった。彼はプレミアリーグ出場歴こそ「0」だが、今回と同じくイングランドが優勝した2014年のU-17欧州選手権で得点王に輝き、7歳から在籍したチェルシーのアカデミーでは各カテゴリーでゴールを量産し、ジョゼ・モウリーニョ監督時代には17歳でクラブ史上最年少でのチャンピオンズリーグ(CL)デビューも果たした逸材で、熱心なイングランド・フットボール好きにとっては知る人ぞ知る存在だった。

 19歳のソランケは今大会中の5月30日に、チェルシーからリヴァプールへ移籍することが発表されたが、それを合図に大爆発。準々決勝メキシコ戦の決勝弾、準決勝イタリア戦の2ゴールを含む計4得点を挙げ、チームを栄光に導いた。そのプレーを見るに、ソランケはただの点取り屋ではない。“10番”やワイドでのプレーも器用にこなし、柔らかいタッチで巧みにボールをキープできて、前線からの守備などハードワーク精神も持ち合わせている。リヴァプールのプレッシングスタイルに適応できる素地は整っており、新シーズンは“若手大好き”なユルゲン・クロップ監督の下で少なからずチャンスをもらえそうだ。

 ソランケ以外にも、今回のU-20イングランド代表には目を見張る活躍を見せた選手が多かった。決勝で相手のPKをストップし、ゴールデングラブ賞に輝いたGKフレディ・ウッドマンは昇格が決まっているニューカッスルで来季のプレミアデビューを虎視眈々と狙う。

 その決勝で優勝決定ゴールを決めたFWドミニク・カルバート・ルーウィンと、ソランケに次ぐ大会3ゴールを挙げたFWアデモラ・ルックマンのエヴァートン・コンビも注目株だ。彼らはともにロナルド・クーマン監督の抜擢に応えて今季のプレミアでもゴールを決めており、来季はさらなる飛躍が期待できる。同じくエヴァートンからは右サイドバック(SB)のジョンジョ・ケニーも、現地メディアで元イングランド代表DFジェイミー・キャラガーからお褒めの言葉をもらっていた。お隣のリヴァプールからも、負けじと快速MFシェイ・オジョがスーパーサブとして何度も試合の流れを変えていた。

 中盤ではトッテナムのジョシュ・オノマーがセントラルMFとして攻守にダイナミックな働きを見せた。20歳の彼はクラブですでにプレミア13試合に出場しているが、若手起用に積極的なマウリシオ・ポチェッティーノ監督の下でさらに出場機会を増やしたい。またキャプテンと司令塔の重責を果たしたMFルイス・クックも、今季のボーンマスではケガに泣いて6試合の出場に留まったが、来季はエディー・ハウ監督が掲げる攻撃サッカーの中で本格ブレイクの予感が漂う。

 晴れて世界王者となったU-20代表に限らず、いまイングランドの新世代は非常に盛り上がっている。今年5月に行なわれたU-17欧州選手権でもスペインに次ぐ準優勝であり、またU-20 W杯と同時期に開催され、主に18歳以下のメンバーで臨んだトゥーロン国際大会でもグループステージで日本を破って勝ち進み、優勝を果たしている。

 そしてヤング・ライオンズの夏はまだ続く。6月16日からはポーランドでU-21欧州選手権が、さらに7月にはジョージアでU-19欧州選手権が控えており、イングランドはいずれの大会でも予選を突破し、本大会での躍進が期待されているのだ。

 1997年1月1日以降に生まれた選手を対象としたU-20 W杯に対し、予選開始時の年齢が基準のため1994年1月1日以降に生まれた選手が対象となるU-21欧州選手権には実質23歳以下の選手が出場するが、特にこちらは今季のプレミアでもお馴染みだった顔が目白押しだ。

 降格したサンダーランドで孤軍奮闘し、プレミアで大きく名を上げたU-21イングランド代表GKジョーダン・ピックフォードを筆頭に、サウサンプトンのジェイムズ・ウォード・プラウズやネイザン・レドモンドらはすでにA代表招集歴がある選手たち。育成の名門“セインツ”(サウサンプトンの愛称)からは日本代表DF吉田麻也とコンビを組んだDFジャック・スティーヴンスもメンバー入りしているし、アーセナルからは今季終盤に3バックの一角を担ったロブ・ホールディングや、ミドルズブラで武者修行していたカラム・チェンバーズ、さらにレスターからは岡崎慎司の同僚であるデマライ・グレイ、ベン・チルウェルなど、プレミア好きなら見知った名前が並ぶ。

 またU-20にも不動のセンターバックコンビ(フィカヨ・トモリ&ジェイク・クラーク・ソルター)を送り込んでいた若手の宝庫チェルシーからは、U-21にもナサニエル・チャロバー、ルイス・ベイカー、タミー・エイブラハムの3選手がエントリー。アントニオ・コンテ監督の下でプレー済みのチャロバーは有名だが、ベイカーもジョゼ・モウリーニョ元監督がソランケと並べて「数年以内にイングランド代表になる」と太鼓判を押したMF、ただひとりU-20からの飛び級で登録メンバーに入ったエイブラハムは、チェルシーの下部組織で件のソランケと黄金コンビを組んでゴールを量産してきた、こちらも楽しみなアタッカーだ。

 残念ながら負傷中のルーベン・ロフタス・チーク(チェルシー)やハリー・ウィンクス(トッテナム)が欠場予定で、さらにはA代表の一員としてW杯予選を戦ったジョン・ストーンズ、エリック・ダイアー、デレ・アリ、ラヒーム・スターリング、マーカス・ラッシュフォードも出場資格はあるが育成年代はもう“卒業”済み。それでもいいメンバーをそろえられるのだから、ドイツやスペイン、フランスと比べて「育成に疎い」と言われてきたイングランド・フットボールが徐々に変わりつつあるのはたしかだろう。

 実際、U-20の躍進によって最近の英国メディアには「黄金世代」という言葉がちらほら見られる。もちろん、大事なのはU-20やU-21の面々が今後のプレミアリーグでもっと出場機会を増やし、各クラブの主力に成長することだ。国外から次々とスターがやってくる金満リーグではいばらの道だが、競争を勝ち抜いてA代表に昇格してくる選手が多ければ多いほど、彼らがアンダー世代の国際大会で培った勝負強さや“勝ち癖”がワールドカップやユーロで生きてくる。スリーライオンズはそのとき、「大舞台に弱い」というレッテルをようやく剥がすことができるかもしれない。

(記事/Footmedia)

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最終更新:6/15(木) 20:10
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