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【現地コラム】一般入場者を招き、E3の光景は変わったのか?【E3 2017】

6/16(金) 2:37配信

ファミ通.com

文:週刊ファミ通 編集長:林克彦(Twitter:@Famitsu_Hayashi)

●今年からE3に一般入場者が!
 週刊ファミ通編集長の林です。現地からお届けするコラムの2回目です(1回目はこちら)。今年のE3が例年と大きく違うところは、一般入場者に門戸を開いたところです。これまでE3は、あくまで業界関係者(メーカー、小売り・流通、メディアなど)向けのクローズドのイベントという位置づけで、原則として、ゲームファンは入場することができませんでした。ただ、昨年、一般入場者向けに別会場を用意して、“E3 Live 2016”を開催。そして今年は、本会場に入場するためのチケットを一般販売。前述の業界関係者と、チケットを有するゲームファンが混在する形式になったのです。

 ちなみに、チケットは、3日間通しで入場できるタイプで、トータル15000枚が用意。最初の1000枚は149ドル(約16390円)、残りのチケットは249ドル(約27390円)で販売。東京ゲームショウの前売り券は例年1000円で販売されているので、E3のチケットは、1日当たりの金額で単純に比較すると高額。枚数制限もあるプレミアチケットで、一般入場者で会場を埋めよう、という意図ではないのだろうと思います。

 また、東京ゲームショウと大きく違うところがもうひとつ。東京ゲームショウは、ビジネスデイが2日間、一般入場日が2日間用意されていて、取材、商談等は基本的にビジネスデイを中心に行えるようになっています。逆に一般入場日は、会場がゲームファンであふれ、出展メーカー各社は、来場者の注目を集めるべく、さまざまなステージイベント等を実施します。会場のレイアウトも、ファンが列を作ること、ステージイベントを観覧すること等を前提に構成されていて、もちろん大混雑にはなってしまうのですが、事故や混乱を避けるための配慮がなされています。では、E3はどうなのか? 今年に関していうと、ビジネスデイと一般入場日といった分けかたはせず、開催初日から最終日まで、一般入場者は自由に出入りできました。東京ゲームショウに慣れていると、これはなんとも大胆。大丈夫なのかな? と思ったのですが……。

 実際に蓋を開けてみると、とくに開催初日の会場は、例年よりも明らかに人が多かった! 早朝から会場周辺には行列ができていたのですが、そんな光景はこれまでなかった。予定よりも15分ほど早く開場したことも記憶にないし、とにかく会場はあっという間に人であふれ返りました。結果、どうなったかというと、なかなか移動ができない、お目当てのタイトルが満足に見れない、遊べないということに……。僕たちゲームメディアは、とてもありがたいことに、優先してゲームを遊ばせてもらったり、取材のためにブース内に案内されることも多いのですが、それとは別に、触りたいタイトルも当然たくさんあります。また、事前に注目していなかったタイトルを遊び、記事にすることも多々あります。今年は、それがしにくかったな、というのは正直なところ。初日だけでもビジネスデイにしてくれれば、商談や取材がしやすくなったのでは、と思います。


▲これは初日、開場の瞬間。ダッシュする人がいなくてひと安心。このあと、会場は人であふれ返りました。


 ただ、個人的に、一般のゲームファンに門戸を開いたことは、よかったと思います。多くの人に自社のタイトルを知ってもらう、興味を持ってもらう機会が増えることは、メーカーにとって喜ばしいこと。情報拡散の機会が増えることにもなりますし、実際会場には、多くのYouTuberが入場して、動画を撮っている光景も多数見ました(気づくとすぐ後ろで実況したりしているのですw)。また、みんな熱心に並び、目を輝かせながらゲームをプレイしていて、そういう光景は当然悪くありません。東京ゲームショウと同様、みんなとても楽しそうで、E3を満喫しているように見えました。

 これは余談ですが、会場で、「ファミ通の方ですよね?」と声をかけられたんです。聞いてみると、日本からの短期留学生で、ゲームが大好きで(ついでにファミ通も!)、いい機会だからとチケットを購入した、とのこと。「とても楽しいです。3日間、満喫します! これから神室町に行ってきますw」と話されていましたが、そういう声を直接聞くと、いい取り組みだな、と感じるのです。

 これから最終日がスタートするところですが、いまの段階のまとめとして、一般入場者を招き入れたE3は、例年以上に、会場に活気があったと感じます。収支を知るところではありませんが、売上もしっかり立っているはず。ただ、一方で、改善の余地はいくつかあります。ビジネスデイは必要ないのか、ぜひ検討してほしい。また、一般入場者が入ることを想定して、もっと余裕をもったホール/ブースレイアウトにする必要もありそう。あと、細かいですが、E3会場内には屋台が複数あり、そこでお昼ご飯を食べたりするのですが、今年はいつも長蛇の列でぜんぜん買えなかった。これもなんとかしてほしいなあ(笑)。

 いまは個人が情報発信する時代になり、また、ユーザーコミュニケーションも重視されていて、E3よりもPAXのほうが見応えがある……といった声を聞くことも増えました。とはいえ、昔もいまも、E3は世界最大規模のゲームイベント。また、E3自体が危機感を持ち、変わろうとしていることも確か。来年以降、もっと見応えがあり、取材しがいのあるE3になることを切に期待しています。

最終更新:6/16(金) 2:37
ファミ通.com

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