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上司の“アルコール武勇伝”は面倒臭い、3つのパターン

6/16(金) 7:10配信

ITmedia ビジネスオンライン

 突然だが、皆さんは「イッキ飲み」をしたことがあるだろうか。恐らく、経験のある人は中高年が中心だろう。言うまでもなく、イッキ飲みは危険性が指摘されている。ちょうど、私が大学生だった20年くらい前から、チェーン居酒屋を中心に、イッキ飲みのコールが禁止になった。

【上司の「アルコール武勇伝」は面倒臭い】

 やや余談だが、最近の大学はアルコールに対する風当たりが大変に厳しくなっている。早稲田大学、一橋大学のように学園祭での飲酒を全面禁止にする大学も増えてきた。普段から学内で飲酒をする行為に対しても風当たりが強い。

 もちろん、教員と未成年学生による飲み会もご法度だ。私が学生の頃は、体育の講義の打ち上げで未成年も多数いる大学1年生に体育教員がビールを振る舞うという、なかなか牧歌的な時代だったのだが。

●上司のアルコール自慢

 ここからが本題。前回、「BOOWY好きの上司と飲むときに気を付けたいこと 」というタイトルの記事を書いたら、想像以上にバズった。ということで、調子に乗って今回も中年上司の話を書くぞ。

 前述したイッキ飲みに代表される「アルコール武勇伝」というのも、面倒くさいものなのだ。特に、イッキ飲みの自慢話は面倒臭い。

 少し話がそれるが、イッキ飲みの話になると、なぜかお笑いコンビの「とんねるず」(石橋貴明、木梨憲武)の話から始まる。なぜ、とんねるずか? 説明しよう。実は、とんねるずの最初のヒット曲は「一気!」だったのだ。イッキ飲みについての思いを歌うというものだった。2人は学ランを着て暴れていた。コミックソングそのものと言っていいものだった。

 しかも、バラエティ番組の収録では「一気!」を熱唱中に、石橋貴明が転倒し、カメラを壊すという事件まで起こしている。今ではベテランタレントのとんねるずも、出始めの頃は何をするか分からない暴走青年という感じだった。中年上司は、こうしたとんねるずの話でまず、マウンティングしてくる。とんねるずトリビア、ウンチクから始まるのだ。

 その後、彼らのアルコール武勇伝と言えば、大きく3つに分かれる。「イッキ飲みの作法」「酒量自慢」「アルコール飲料のCM」である。

 まずイッキ飲みだ。冒頭にふれた飲み会のコールについて彼らは熱く語りたがる。「森のくまさんイッキ」「橋本聖子イッキ」「ブラジルサンバイッキ」など、イッキ飲みのコールについて語りだし、ときには実演まで始めるのである。

 「橋本聖子イッキ」については、若い皆さんは知らないだろう。説明しよう。今や政治家として知られている橋本聖子氏だが、もともとはスピードスケートの選手だった。スケート選手が腕を振りながら滑る様子をマネし、両腕にビールを持って交互に飲むのである。「聖子、聖子、橋本聖子!」というコールに合わせて、だ。

 酒量自慢も面倒くさい。たまに、「飲み過ぎて居酒屋のサワーがなくなった」的な話をする人がいるが、本当だったりするから怖い。学生寮や、会社の独身寮で浴びるように飲んだ武勇伝などを披露し出すのだ。散々飲んだ後、「マラソンをした」「学生の頃、他大の女子寮に突撃した(これは、私の母校に昔、そういう伝統イベントがあった)」などの話も面倒だ。

●懐かしいビールのCM自慢

 そして一番面倒なのが、懐かしいビールのCM自慢である。自慢と書いたが、別にそいつが作ったわけではないのもポイントだ。「松田聖子が『SWEET MEMORIES』を歌う、サントリーのCM(ペンギン編)」「松任谷由実が歌うキリンラガービールのCM」「サッポロビールの冬物語のCM」などについて、ムダに熱く語り出すのである。終いには、その場でYouTubeを開き、強制的に見せ出すのだ。

 もっとも、特に私のような40男については、こうなっても仕方がない事情はある。われわれ団塊ジュニア世代が20代になる90年代前半は、この層を取り込もうと、アルコール飲料メーカーは特にCMに力を入れていた。多額の広告費が投入されていたのである。だから、強烈に記憶に焼き付いているのだ。

 中年上司たちは「トリビー(取りあえずビール)」世代であり、酒に弱かろうと強かろうと、取りあえず飲む世代だった。彼らの論理は、今や普通ではなく、アルハラという言葉もあるくらいで、批判されるようなった。私の少し後の世代から、最初からウーロンハイや、カシスオレンジなども認められる時代になり、強引に酒をすすめられることも減った。もう、アルコール武勇伝が面倒臭い時代になっているのだ。40男の皆さん、みんなで楽しく酒を飲む努力、工夫が必要ですよ。


(常見陽平)