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うつ体験公表したカナダの女性議員、激務でも無理しない生き方に 「自分自身への責任」

6/17(土) 7:00配信

withnews

 自らのうつ病の体験を公表し、理解を広めようと活動している国会議員がいます。といっても、日本ではなく、カナダの話。国際開発大臣政務官を務めるセリーナ・セザル・シャヴァーンさん(42)は2016年9月、うつ病であることをブログで明かし、大きな反響を呼びました。3人の子どもを育てる母親でもあるシャヴァーンさんに、思いを聞きました。(朝日新聞社会部記者・仲村和代)

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選挙後に症状、「なぜ私が……」

 コンサルタントとして活動していたシャヴァーンさんは2015年総選挙で当選して国会議員になりました。ヘルスケア・マネジメントのMBAも取得しており、健康問題の専門家でもあります。

 ブログによると、シャヴァーンさんは14年秋の補選で敗れた後、ベッドから出られない、シャワーや歯磨きができないといった症状が出て、うつ病と診断されました。当選後の16年2月、首都オタワでミーティングに限界が来て救急に駆け込み、そのまま電車で地元へ戻って数日間入院。その後も苦しい時期が数カ月間続き、同僚に攻撃的なメールを送ったり、夫と争う日々でした。

 その時の心境について、「素晴らしい仕事にも、家族にも恵まれているのに、なぜ私がこんなことになるのだろう、と自問し続けた。深く、暗い穴の中にいるよう。どんなに努力しても、その穴は深く、広くなっていくばかりで、永遠に抜け出せないのではと感じた」とつづっています。

自分を責めることをやめたら、変化が

 ある日、起きられない自分を怠惰だと責めることをやめ、「それでいいんだよ」と自分に語りかけた時、変化が。病気も自分の一部であることを認め、折り合いをつけることができるようになったといいます。

 今は体調に気を配りつつ、国際開発大臣政務官という激務をこなしています。5月にはアジア開発銀行の総会のために来日。分刻みのスケジュールの合間に、インタビューに応じてくれました。

体験を公表「予想以上の反響」

 ――体験を公表することに、ためらいはありませんでしたか

 もちろん、とても怖かった。ブログを投稿する直前、自分に問いかけました。「公表したことで、次の選挙で負けてもいいの」と。答えは「イエス」。政治家の仕事は、人を助けること。私のような立場の人間が体験をオープンにすることで、ほかの人たちも自分の不調に気づき、健康を気遣う機会になると思いました。

 ――反響は

 予想以上でした。多くの人たちから「助けてくれてありがとう」と声が届いた。体験の公表がこんなに意味を持つのは、心の病の場合、単に治療をするだけでなく、偏見とも戦わなければならないことの表れでもあると感じます。

 私の体験から伝えたいのは、自分が問題を抱えていることを認識し、自分は完全ではない、弱い存在だけれど、それでいいと認めることが大切だということ。調子が悪い時は5分休んでリラックスし、他の人に助けを求めてほしい。それから、セラピーでもヨガでも、自分を癒やす方法を試してみること。そうすれば、私のように3日間も入院する必要はなくなるでしょう。

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最終更新:6/17(土) 7:00
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