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那珂の昔話、電子図書化 県立図書館、学習障害に対応

6/16(金) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

県立図書館(水戸市三の丸1丁目)は、那珂市額田地区に伝わる昔話「額田のたっさい」を電子図書化し、「マルチメディアデイジー図書」を制作した。文字の認識が難しい学習障害がある人向けに、挿絵と文章、音声を連動させた。頓知にたけた男の笑い話で、茨城弁版と標準語版の2種を作った。全国の特別支援学校や公共図書館にCD-ROMを配布した。


電子図書はパソコンで使用し、音声と一緒に文字や画像が表示される。読み上げている文章が色付けされるため、どこを読んでいるのか一目で分かる仕組み。音声のスピード、文字の大きさを変えることができる。

伊藤忠記念財団が電子図書普及のため、各都道府県の昔話を基に制作して、全国の特別支援学校などに配布する事業の一環。

学習障害は、文字が揺らいだり、にじんだり、かすんで見えることなどが要因。記号である文字を音として認識することが難しく、名称を想起する速度が遅いことで起こるとされる。

昔話は、うそつきの名人「たっさい」が、水戸の殿様に呼び出され「うそをついてみろ」と言われる。うその本を家に置いてきたと言い、殿様から馬を借りて家に帰ったままで戻らない。「うその本があるということがうそだ」と答え、ほうびに馬をもらうというあらすじ。

県立図書館は県内に広く分布する昔話として「額田のたっさい」を採用した。「たっつあい」「達才」とも呼ばれる。那珂市歴史民俗資料館の調べでは、高萩やつくば市など9市村で伝承を確認した。額田は棚倉街道の宿場町で旅人たちによって広まったとされる。

挿絵10枚は県立笠間高美術科の生徒7人が担当した。29日まで原画が県立図書館で展示されている。 (清水英彦)

茨城新聞社