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圧巻デビューの巨人・山口俊、“クビ”差し出した堤前GMに「少しでも恩返しを…」

6/16(金) 16:56配信

夕刊フジ

 横浜DeNAからFAで巨人入りした山口俊投手(29)が、14日のソフトバンク戦(東京ドーム)でようやく移籍後初登板。堤前GMが前日(13日)に差し出した“クビ”と引き換えに、右肩を万全に仕上げて圧巻デビューを飾った。

 G戦士として初の先発マウンドに立った山口俊は、6回102球を投げ8奪三振、被安打0の快投。疲労を考慮されてお役ご免となったが、救援陣2人も無安打リレーで締めた。史上4例目、セ・リーグでは初となる、継投によるノーヒットノーランが完成した。

 華々しいデビュー戦後のお立ち台で、似つかわしくない涙にくれた。「FAで来てすごく迷惑をかけた」

 あと1日だけ間に合わなかった。球団史上最悪の13連敗など成績低迷を受け、13日に堤前GMが引責辞任。自ら交渉したFA右腕にも「これからのシーズンもある。しっかり頑張ってほしい」と最後の激励を送った。

 シーズン前半の異例人事の要因となったのは、推定総額40億円の“爆買い補強”でそろえた新戦力の不発だ。山口俊も昨季終盤に違和感を覚えた右肩の状態が上がらず、今春は3軍キャンプでリハビリを続けた。2月下旬には、じれ始めた球団上層部の意を受けた堤前GMに「可能であれば1軍キャンプに合流してほしい」と打診されたが断った。3年契約を全うする責任感から調整に万全を期す姿勢に、堤前GMも理解を示した。

 かつて中日からFAで巨人に移籍したセ・リーグMVP左腕、野口茂樹が「FAで来ているわけだし、無理して投げた。休む勇気がなかった」と述懐したように、ケガを隠した強行登板も報われず、失意の退団に至る例もある。もし堤前GMが保身を考えたなら、無理にでも尻をたたいて1軍合流を急がせただろう。山口俊の選手生命と引き換えに、自らの“クビ”を差し出した格好だ。

 山口俊は「たぶん自分の責任もある。開幕に間に合わず、すごく申し訳ない。自分が活躍することで、少しでもGMに恩返しできれば」と神妙。1日遅れで晴れ姿を見せられなかった無念を胸に、最後まで離脱せず先発ローテを死守したい。 (笹森倫)

最終更新:6/16(金) 17:02
夕刊フジ