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ゆっくり滑り、繰り返す=紀伊半島沖、浅い南海トラフ―海洋機構

6/16(金) 3:18配信

時事通信

 紀伊半島南東沖の南海トラフの浅い部分では、海側と陸側のプレート境界付近がゆっくりと1~4センチ程度滑る現象が8~15カ月間隔で繰り返されていることが分かった。海洋研究開発機構や東京大などの研究チームが16日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 南海トラフでは海側プレートが陸側プレートの下に沈み込んでおり、境界付近にひずみが蓄積されてから急に滑ると大地震になる。浅い部分ではゆっくりとした滑りにより、ひずみの30~55%程度が解消されているとみられるという。

 しかし、その影響が陸地に近い、深い部分に及び、ひずみが蓄積される可能性がある。1944年の東南海地震(マグニチュード7.9)はこの陸地に近い部分が震源域となった。

 海洋機構の荒木英一郎主任技術研究員は「ゆっくりした滑りの観測点を増やし、コンピューターによるシミュレーションと組み合わせれば、大地震のリスクを見積もる手掛かりが得られるのではないか」と話している。

 紀伊半島南東沖には沿岸からケーブルでつながった海底地震・津波観測網があるほか、探査船「ちきゅう」で深く掘削した2カ所の穴に水圧などの観測装置を設置している。研究チームは昨年まで約6年間の観測データを調べた。 

最終更新:6/16(金) 8:54
時事通信