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安倍川に「瀬切れ」発生 空梅雨、生態系に影響懸念 静岡

6/16(金) 8:15配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡県内全域で雨が極端に少ない状態が続き、静岡市を流れる安倍川で6月上旬から、河道が途切れる「瀬切れ」が発生している。安倍川は河床の高い「天井川」で従来も渇水期に河道が分断することはあったが、梅雨入り後の瀬切れは「この半世紀で記録にも記憶にもない」(安倍藁科川漁協)という異常事態。関係者は漁期が解禁になったばかりのアユをはじめ、生態系への悪影響を懸念している。

 瀬切れが起きているのは、同市葵区の狩野橋上流から安西橋下流にかけての2キロ程度の範囲。漁期中毎日、監視活動を行っている同漁協によると、11日に発生して徐々に面積が広がっているという。水たまりのように残った河道には体長10~15センチほどのアユが数多く取り残され、助ける方策もないため鳥に補食されている。

 国交省が同区牛妻の安倍川近くに設置している観測所の雨量は、平年と比べて5月が38%で、6月に入ってからはわずか4%にとどまる。同省静岡河川事務所によると、現状は伏流水が十分あるため水利用に支障はないが、河川環境維持の観点から工業・農業用水で節水を呼び掛けている段階。

 松村昭洋副所長(52)は「空梅雨が続けば、取水制限を検討しないといけないが、瀬切れを解消する決定打はなく、雨が降るのを待つしかない」と苦境を打ち明ける。

 川が干上がった状態が長期化すると、川と海を行き来するアユやウナギなどの遡上(そじょう)が妨げられるだけでなく、水生動植物にも深刻なダメージが出る恐れがある。伊久美正男同漁協組合長(68)は「生態系が壊れてしまわないか心配。流域住民全体で水の大切さ再認識し、節水を心掛けてほしい」と訴える。

静岡新聞社

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