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<汚染廃>一斉焼却提案 割れる自治体判断

6/16(金) 13:16配信

河北新報

 東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物処理で、一斉焼却する宮城県の提案に対し、自治体の判断が割れている。容認の声が広がる一方、慎重論も依然くすぶる。県は18日、半年ぶりに市町村長会議を開催するが、村井嘉浩知事が前提とする全首長の合意には曲折も予想される。

 仙南9市町は昨年12月にあった前回の市町村長会議を前に、仙南地域広域行政事務組合の焼却施設「仙南クリーンセンター」(角田市)で、試験焼却に応じることを申し合わせた。

 大友喜助角田市長は「従来の考えに変わりはなく、試験焼却で安全性を確かめ、焼却処分を進めるべきだ」と話す。山田裕一白石市長も「試験焼却の合意は一度白紙に戻ったとの認識だが、焼却処理はやむを得ないと思う」と受け止める。

 仙南9市町以外の廃棄物受け入れには、異論もある。斎清志大河原町長は「住民理解が得られない」と慎重な立場だ。組合理事長の滝口茂柴田町長は「18日に県の方針を聞いた上で再度、組合の対応を話し合う」との見通しを示す。

 県の焼却処理に難色を表明したトップが、4月の市長選で交代した登米、栗原両市。現職の4選を阻んだ熊谷盛広登米市長は就任後、「焼却はしない」と明言。「焼却施設(豊里地区)近くの住民が不安を感じている」と理由を挙げ、土壌へのすき込みを進めた市政を事実上、継承する。

 一方、千葉健司栗原市長は「堆肥化や焼却、すき込みの特性を比較調査しており、現時点では判断できない」と態度を保留する。

 引退した佐藤勇前市長は焼却に反対し、堆肥化の実証実験に取り組んだ。千葉氏は「どの手法にもメリット、デメリットがあり、安全性とスピードを検証して決める」と説明する。

 廃棄物約1万5570トンを保管する大崎地方は、焼却施設を管理する大崎地域広域行政事務組合の構成5市町のうち、大崎、美里、涌谷3市町は試験焼却を受け入れる意向とされる。

 大崎市はすき込みの減容化実験を始めたが、伊藤康志市長は「あくまで補完的な方法」と位置付け、「メインは焼却」と強調する。

 県内最多の約7500トンを保管する加美町の猪股洋文町長は「放射性物質が拡散しないという立証と、住民理解があれば進めてもいい」と県に注文を付ける。「地域で事情は異なり、県内一斉は無理がある。最終的には各自治体が判断するしかない」とも指摘する。

最終更新:6/16(金) 13:16
河北新報