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<共謀罪法成立>安倍政権、強引手法「当たり前に」

6/16(金) 7:30配信

毎日新聞

 「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を設ける改正組織犯罪処罰法は、与野党の激しい駆け引きの末、15日朝に成立した。安倍晋三首相は「テロを未然に防ぐために国際社会としっかり連携したい」と意義を強調したが、特定秘密保護法、安全保障関連法に続き、世論の賛否が分かれた中で強引に成立させる安倍政権の手法に、野党は「言論の府の軽視だ」と反発を強めている。国会は異例の徹夜審議を経て、18日に会期末を迎える。

 自民党が参院法務委で採決しない「中間報告」を民進党に提案したのは14日昼前。そこから与野党の長い攻防が始まり、15日午前7時46分に改正法が成立するまで約20時間を要した。

 過去にも与野党対決型法案の採決が日付をまたいだことはあったが、朝までずれ込むのは極めて異例だ。

 参院事務局によると、参院本会議の延会手続きをしたのは、最近では2015年9月の安保関連法の採決時。集団的自衛権の行使容認を巡って与野党が対立し、散会は同月19日午前2時18分だった。特定秘密保護法は13年12月6日深夜に参院本会議で可決、成立し、本会議は7日午前0時34分に終了した。

 改正組織犯罪処罰法の採決が翌朝までずれ込んだのは、与党が中間報告という奇策を用いたためだ。参院法務委の秋野公造委員長(公明党)が中間報告にこぎつけたのは15日午前3時半。改正法案を参院本会議でただちに審議する動議などを経て、採決の開始は午前7時を過ぎていた。

 自由、社民両党の議員らはゆっくり歩いて投票を遅らせる「牛歩戦術」で抗議の意思を表示。伊達忠一参院議長が投票を締め切ったため、社民党の福島瑞穂氏ら3人の投票が「反対」にカウントされず、無効になった。

 改正法成立後、民進党の蓮舫代表は「すべての手段を通り越した究極の強行採決だ」と記者団に語り、「安倍内閣は、強引な採決の仕方が当たり前になってきた」と政権の体質を厳しく批判した。

 中間報告で委員会採決の混乱を回避しようとした与党だが、徹夜国会はかえって強引さを印象づけることになった。自民党の二階俊博幹事長は15日、「(国会法で)認められているルールだ。強行したと言いたい人もいるだろうが、強行でも何でもない」と記者団に語った。【光田宗義、真野敏幸】

最終更新:6/16(金) 9:56
毎日新聞