ここから本文です

動画とAIでコミュニケーションを豊かに。「インフラとしてのLINE」が目指すもの

6/16(金) 7:00配信

Impress Watch

 LINEは15日、事業戦略発表会「LINE CONFERENCE 2017」を開催し、「コミュニケーションファースト」を掲げ、インフラ化(Connected)、動画ファースト(Videolized)、AIフォーカス(AI)の3つを軸にコミュニケーションインフラとしてのLINEの進化について説明した。スマートスピーカー「WAVE」やAIプラットフォーム「Clova」については別記事で紹介しているため、ここではそれ以外のトピックを紹介する。

【この記事に関する別の画像を見る】

 LINEは、2011年6月23日にサービスを開始し、今年で6年を迎える。そこで次の5年では、「LINEがインフラ化され、コミュニケーションをより豊かにするためにあらゆるコンテンツが動画化され、そして、ポストスマートフォン時代を見据え、あらゆる環境がAI化される世界の創出を目指す」とした。

 2017年3月時点のLINEの月間アクティブユーザー数(MAU)は1億7,100万人以上で、1日あたりの平均利用時間は40.2分、1人あたりの最大送受信回数は270億件以上。出澤剛CEOは「他を寄せ付けない数値」と語り、第1四半期におけるLINEプラットフォームにおける総流通額は557.97億円(前年同期比47%増)、広告売上は139億円(同49.6%増)と大きく成長していることをアピール。また、LINEマンガやLINE MUSIC、LINE Pay(決済)、SNOW(写真アプリ)などの伸びについて言及した。

 なお、LINE MUSICの第1四半期総流通額(GMV)は8.92億円で前年同期比340%の成長となっている。

 出澤CEOが、「特に重要」と紹介したのが、LINE NEWSとLINE Pay。LINE NEWSは、媒体社が600社参加し、ユーザーのLINEへの接触(エンゲージメント)に大きく寄与していることを紹介。LINE Payについては、登録ユーザーが3,800万人をこえ、取扱決済総額は月額780億円を超えるなど、急成長している。台湾の確定申告でLINE Payが使えるようになったことが大きく、5月に一気に拡大したという。

 こうした事例も「インフラ化」を目指す、LINEの戦略の一環。出澤CEOは、「日本は既存の決済インフラが整備されているがゆえに、新たな決済環境整備が進まないと言われているが、いま進化のうねりを感じている。スマホ上、LINE上のお財布になり、人とお金の新たな関係を切り開いていきたい」とした。

■LINE上で「ひと、情報、お金を循環」。SNOWっぽくなるLINE

 “インフラ化”に向けて「LINE」のアプリも強化する。今夏には、トーク内でのカメラ起動時に顔認識によるエフェクト加工やフィルター加工が可能になる。「SNOW」的な機能がLINE本体アプリでも使えるようになる。

 加えてスライドショー機能や、トークルーム内の友達にライブ動画を配信する「チャットライブ」なども導入予定。タイムライン上に動画を投稿したり、ライブ動画配信を行う「ストーリー機能」も導入するなど、LINE上での動画対応を強化する。

 また、現在ニュースタブと呼ばれ、LINE NEWSのニュースを呼び出す機能が、「ポータルタブ」にアップデート。2017年内の変更を予定しており、ニュースだけでなく、天気や占い、電車の運行情報など、ユーザーごとにパーソナライズした情報を表示。マンガや音楽、動画などのコンテンツへのアクセス性を向上する。

 ウォレットタブも年内に新設。LINEが商品購入/決済の入り口になることを目指し、LINE Payでの送金・決済に加え、ショップやレストランのポイントカードやクーポンの管理機能を統合する。なお、LINE Payは今夏に本人確認不要で送金機能が利用可能になる。

 LINE企画担当の稲垣あゆみ執行役員は、LINEアプリの目標を「ひと、情報、お金、がひとつのアプリで循環していくような世界」と説明した。

 さらに内閣府が運営する「マイナポータル」のLINE対応など、行政との連携するほか、ファッションや雑貨スポーツなどのブランドのショップをLINE上で展開する「LINEショッピング」を6月15日から開始。ショップごとに異なるポイントカードなどをLINE上で一元管理できるようにする。また、フードデリバリーのLINEデリマも夏にスタートする。詳細はケータイWatchの記事(マイナポータル、ショッピング)を参照してほしい。

■動画とAIでコミュニケーションを豊かに。動画の収益化に着手

 「動画」については、MAU(月間利用者数)1,300万人を超える動画配信プラットフォームとなった「LINE LIVE」のビューワー機能「LINE LIVEプレーヤー」を「LINE」アプリに統合する。年内のビューワー統合を予定しており、これにより、さらに多くのユーザーがLINE LIVE映像に親しめる環境を構築する。

 LINE LIVEを担当する佐々木大輔 執行役員は、LINE LIVEが、10代の女性比率が高い若年層に支持された動画プラットフォームになったことを紹介し、「コアバリューは、エンゲージメント。心が動く、親近感がある。人気の配信の後は、実際に映画に行く、ライブに行くなど“人が動く”」と動画の効果を強調し、LINEアプリにビューワーを統合することで、さらにLIVEの魅力が高まるとした。

 そして、動画広告「LIVE Video Ads」も'17年内にスタート。これまでは、投資フェーズと位置づけていたが、LINE LIVEにインストリーム広告を挿入し、「ついに事業化する」とした。

 今後の展開としては、2020年頃の展開が見込まれる「5G」について、帯域が増えることで、ライブ動画だけでなく、VRやARとの連携など、さらなる環境変化を期待。「インターネットがテレビを上回る瞬間がまもなくやってくる。メッセンジャー、カメラ、VOD、ライブ、コミュニケーションの全てが動画になる。動画でコミュニケーションをもっと豊かにしていく」(佐々木氏)と語った。

 Clova/WAVEを紹介した、舛田淳CSMOは「Everywhere AI」を掲げ、「PCの時代からスマホの時代になり、LINEはスマートフォンで誕生した。この先のポストスマホの時代は『AI』」と語り、Clova AIプラットフォームを拡張していく姿勢を強調。「WAVEは、あなたの生活のそばにいる、新しい音楽体験を与えるスピーカーであり、秘書であり、話し相手」と説明。さらに、トヨタ、ファミリーマートなどのパートナーとともに、ClovaによるAIプラットフォームの拡張をアピールした。詳細については別記事で紹介している。

AV Watch,臼田勤哉

最終更新:6/16(金) 12:22
Impress Watch