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<十勝豪雨>「200年に1度」の規模超える降水量

6/16(金) 8:16配信

毎日新聞

 北海道内に大きな被害をもたらした昨年8月末の台風10号に伴う豪雨で、特に被害の大きかった十勝地方の一部では「200年に1度」の規模を大幅に超える降水量だったことが、北海道大などの調査で分かった。15日、北大でのシンポジウムで北大大学院農学研究院の小山内信智特任教授が報告した。【安達恒太郎】

 昨夏の豪雨は、暖かく湿った空気が長時間、日高山脈に吹き込んだことが原因とみられている。しかし、過去の降水量と比較してどれくらいの規模の豪雨だったのかが判然としなかったため、土石流被害が報告された帯広市や中札内村を流れる札内川や戸蔦別(とったべつ)川を中心に、北海道開発局や道建設部と共同調査した。

 まず過去の観測データから「200年に1度」規模の降水量を地区ごとに計算。その上で、昨年の豪雨で観測された降水量と比較した。

 その結果、戸蔦別川上流地区の「200年に1度」は約350ミリだが、昨年8月31日までの72時間降水量はそれより大幅に多い427・7ミリだったことが判明。同様に札内川流域地区でも昨夏の同じ時期に「200年に1度」とほぼ同規模の375・6ミリを記録していた。

 一方、昨夏の豪雨では衛星写真と航空写真を分析した結果、日高山脈の東側に位置する戸蔦別川を含む9河川で大規模な土石流が20カ所以上も起こっていたことが分かった。周辺地域では、土砂崩れが小規模なものを含め800カ所以上で確認された。

 小山内教授によると、日高山脈由来で粘性の低い花こう岩を中心とした堆積(たいせき)物が昨夏の被害地域には多く、「大雨の影響で小規模な土砂崩れが起き、不安定で粘着力がない土壌が一気に流れ出したのではないか」と分析。「調査した地区は土砂崩れが起きやすい地質だった。自分たちがどのような性質を持った土地に暮らしているのかを理解することが大切だ」と強調した。

最終更新:6/16(金) 8:33
毎日新聞