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インド太平洋戦略って何? =安倍首相が提唱、中国に対抗

6/16(金) 7:30配信

時事通信

 安倍晋三首相は今月6、7両日に行ったベトナム、ラオスとの首脳会談で「自由で開かれたインド太平洋戦略」について説明、協力を呼び掛けた。

 ―聞き慣れない用語だね。

 首相が提唱する「インド太平洋戦略」は、インド洋と太平洋に面したアジアとアフリカを結ぶ地域の経済成長と安定を目指す構想だよ。2016年8月にケニアで開かれたアフリカ開発会議(TICAD)では、この地域を「力や威圧と無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場として育てる」と演説したんだ。

 ―二つの地域をつなぐ目的は。

 シーレーン(海上交通路)の安全を確保する狙いがあるんだ。中東から日本への原油や天然ガス、日本から欧州へのコンテナの輸送路になっているからとても大事なんだ。アジアは経済成長が著しく、アフリカは資源も豊富で高い潜在力がある。こうした地域の安定的な成長には、航行の自由や法の支配といった価値観を浸透させる必要があるというのが首相の考えなんだ。

 ―なぜ価値観の共有が必要なの。

 これらの地域で、中国が存在感を高めているからだよ。中国はシルクロード経済圏構想「一帯一路」を掲げ、東・南シナ海だけでなくインド洋でも海洋権益拡大を図っているんだ。

 中国はパキスタンのグワダル港やスリランカ南部のハンバントタ港といった重要港湾で数十年に及ぶ運営権を取得している。こうした拠点がインドを包囲する形で点在していて、「真珠の首飾り」戦略と呼ばれているよ。インドからは軍事転用への懸念が出ていて、実際、アフリカ東部ジブチには軍事拠点の設置が進められているんだ。

 ―日本はどう対抗するの。

 政府が重視するのは、「世界最大の民主主義国」と呼ばれるインドとの協力だ。首相は昨年のモディ首相との会談で、戦略の実現へ協力することを確認した共同声明を発表した。今月はインドへの原発輸出を可能にする日印原子力協定も国会で承認されたよ。

最終更新:6/16(金) 7:35
時事通信