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<うんこ漢字ドリル>人気の秘密は「クソ面白い例文」

6/16(金) 8:35配信

毎日新聞

 全国で爆発的な人気となっている小学生向けの学習ドリル「うんこ漢字ドリル」(文響社)。秋田県内の書店でも仕入れ後すぐに完売となる状況で、関係者は「参考書でこれほどの売れ行きは経験がない」と舌を巻く。その秘密は何なのか、探ってみた。【山本康介】

 イオン秋田中央店(秋田市)3階にある宮脇書店。その一角にある「児童書」コーナーには1~6年までのシリーズが並ぶ。ポップに書かれた宣伝文句は「お勉強がクソ楽しくなる!」「子どもの学力がぶりぶり伸びる!」

 同店によると、メディアでの露出が増え始めた4月下旬ごろから人気が急上昇。各学年で20冊ずつ追加注文したが3年と5年の分は再び売り切れた。県内各地の書店でも軒並み上位を独占している。

 小学2年の息子のために購入したという同市の会社員の女性(30)に聞いてみると、「テレビ番組で紹介されたのを見て、例文が面白そうだから試しに買ってみました。これを機に勉強に励んでくれたら」と話した。

 実際に中身を開いてみた。学習指導要領に対応しており、全学年計3018の例文すべてに「うんこ」の単語を折り込む徹底ぶり。例えば「うんこで作られたにん(人)形」(1年)、「うんこをだん(団)子状に丸めて、坂で転がす」(5年)など、思わずふき出しそうになる例文が並ぶ。

 出版元の「文響社」(本社・東京都港区)によると、発売から2カ月たった5月末時点でシリーズ累計227万8000部を記録した。同社初となる学習参考書で、教育とエンターテインメントを融合させる発想。「小学生に絶対うける」と制作が始まった。

 しかし編集部の担当者は「ここまで売れるとは正直思っていなかった」と打ち明ける。ツイッターで「勉強嫌いの子が自主的に取り組むようになった」「家族のコミュニケーションにもつながる」との投稿が寄せられ、「堅苦しい勉強と、くだらないうんこのバランスが良かったのかもしれない」と分析する。

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、トップクラスを維持している秋田県。秋田大の阿部昇教授(教科教育学)は「普段口にしてはいけないような一線を越えた部分が『真新しい』と受け止められたのでは」と話す。ただ「このドリルだけ」で終わるのはもったいないという。「苦手な子が漢字の勉強を好きになるきっかけにはいいと思います。その後、漢字の成り立ちなど漢字文化に興味が広がり、自主的に家庭学習する楽しさにつながればいいですね」と話していた。

最終更新:6/16(金) 8:43
毎日新聞