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<天下り調査>実態解明遠く 山本担当相「黒白、監視委で」

6/16(金) 8:45配信

毎日新聞

 山本幸三国家公務員制度担当相が15日に公表した全府省庁の天下り実態調査結果は、国家公務員法などの再就職規制に違反する疑いがある事例数を示すにとどまった。確定は政府の再就職等監視委員会による調査を待たなければならず、文部科学省による組織的な天下りあっせん問題に端を発した霞が関の実態解明は道半ばだ。

 山本氏の指示を受けた内閣人事局は1月末に調査を開始。当初は3月末に結果をまとめることを目指したが、大幅にずれ込んだ。同局は「全府省庁を対象にしたため作業量が膨大になった」と説明する。

 しかし、今国会では天下り以外にも、学校法人「森友学園」や「加計学園」の問題など安倍政権の懸案が次々に浮上。会期末間際の公表に、政府関係者は「在庫一掃だ」と語り、タイミングを計っていたことをうかがわせた。

 調査は2008年12月末以降に再就職の届け出をした退職者6372人に調査票を郵送する方式で行われた。ただ、強制力はなく、回答が得られたのは5535人。837人は調査できなかった。組織的な天下りあっせんは確認できなかったというが、全体像をつかめたのか疑問は残る。

 結果の公表の仕方も具体性を欠いた。企業・団体側に問題があった6件を除く21件に関して、府省庁別の内訳は明らかにされなかった。今はあくまで「疑い」の段階で、再就職等監視委の最終認定を待つ必要があるという理屈だ。

 しかも、監視委の結論が出る時期は見通せていない。山本氏は「われわれは捜査権を持っているわけではなく、監視委で黒白決着をつける。疑いの段階なので詳細は言えない」と歯切れが悪かった。

 民進党の山井和則国対委員長は15日、自民党の竹下亘国対委員長との会談で「天下りの調査結果が出たときには予算委員会を開くと約束していた」と指摘。衆院予算委の集中審議を求めた。しかし、与党は今国会の会期を延長しない方針で、野党が政府を追及するのは難しい。

 山本氏から結果の報告を受けた安倍晋三首相は「しっかりした対策を講じてほしい」と述べた。【遠藤修平】

最終更新:6/16(金) 8:45
毎日新聞