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コンチネンタルは携帯電話網によるコネクテッドカーの実現をアピール…事業戦略説明会

6/16(金) 18:56配信

レスポンス

自動車部品大手のコンチネンタル・オートモーティブ・ジャパンは6月16日、横浜の本社において、インフォテインメント&コネクティビティ事業部の事業戦略説明会を開催した。コネクテッドカーの実現に向けて、主に携帯電話網を利用する形でのコンチネンタルの取り組みについてアピールした格好だ。

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プレゼンテーションは、独コンチネンタルのインフォテインメント&コネクティビティ事業部 エグゼクティブ・バイス・プレジデントのヨハン・ヒーブル氏が登壇した。

◆コネクティビティへの取り組みについて

「コンチネンタルにはコネクティビティに取り組んできた長い歴史があります。1996年にe-call(緊急通報)の実現から始まり、車両の遠隔診断などを経て、2016年にはLTEによるコネクティビティ、そしていまは5Gに取り組んでいます。単に携帯電話の通信機能を車両に載せるだけではなく、クルマ特有の問題である温度の問題や、10年ほど続く車両の寿命への対応などがあり、自動車にマッチした形で提供する必要があります。そして我々自身も、携帯電話網のことをよく理解しなければなりません」

「すでに3000万台以上のコネクティビティ製品を出荷しており、現在はLTEをベースとした製品を展開しています。2020年までに9つのプログラムの量産が始まる予定です。これには日本の自動車メーカー向けのものもあります。そして2026年までに、4000万ユニットを出荷する予定です」

◆各種テレマティクスソリューション


「まず常時接続について。4G LTE、5Gだけでなく、衛星による双方向通信も検討しています。インマルサット(衛星通信プロバイダー)と取り組みを進めています。衛星による双方向通信は、グローバルなカバレッジを実現します。携帯電話網のカバレッジはシームレスではない場合があります。通信圏外では通信が途切れる場合がありますし、あるいは自分が契約しているプロバイダーでない場合も繋がりません。これを解決するひとつの方法として衛星通信があります。ダウンリンクだけでなくアップリンクも実現します。衛星通信によって、地球上のほとんどのエリアをカバーすることができます。携帯電話網は国ごとにプロバイダが違うので、我々も自動車メーカーもいろいろと仕事が増えるという悩みもあります。FCCの認証やローカルプロバイダーとの契約なども発生します」

「都市部ではWi-Fiを利用するコネクティビティも検討しています。カーネギーテクノロジーと共に取り組んでいます。様々な通信手段のスイッチングのノウハウがある会社で、携帯電話網とWi-Fiをスイッチして、シームレスな接続を実現するというものです。Wi-Fiによって、例えば駐車スペースなどで車両診断や車載ソフトウェアのアップデートなどが可能になります。さらには、乗員のスマートフォンを通じてコネクトすることもできます。このように、様々なネットワークをシームレスにスイッチングすることが可能になっています。これによって、車両が常時接続されることになります。これは今後、必要なフィーチャーになっていくと考えます」

「高いセキュリティも重要な要件のひとつです。ハッカーからのアタックの危険も高まっています。我々はリスクが高まっていることを十分に認識しています。より多くのチャネルを開くからです。携帯電話網、Wi-Fi、衛星通信などです。このようなリスクへの対抗策は、半導体レベルから始まります。改ざんができないストレージや、セキュアな起動メカニズム、ソフトウェア・ハードウェアの堅牢化、暗号化技術、トランスポートレイヤーセキュリティ、VPNなどの技術も活用します。また隔離による方法もあります。車両制御などクリティカルな部分のソフトウェアを切り離す方法です。サンドボックス化やハイパーバイザーといった方法です。また、モニタリングも強化しています。攻撃を検知したら隔離し、影響を限定的にするなどです。通信によって新しい機能をクルマに持ち込むことも重要ですし、いっぽうで、様々な方法を用いて攻撃に対抗することも重要です」

「また重要なトピックとしてOTA(Over The Air:無線通信によるソフトウェアアップデート)があります。新しいフィーチャを継続的に提供することが重要になってきています。クルマがつながり、ソフトウェアアップデートが随時行われることで、顧客満足度も上がると考えています。コンチネンタルでは2005年からOTA機能の提供を開始しており、現在では7つの自動車メーカーに対して提供しています」

◆C-V2X

「C-V2X(セルラーV2X。携帯電話網による車車間・路車間通信規格)は、安全性の向上にとって重要なキーテクノロジーです。特にLTE-V2Xは、ブレークスルーとなる技術です。車両に搭載した通信モデム同士が直接コネクトできる技術で、特別なハードウェアの追加は必要ありません。携帯電話網を必要としないので、車両間で直接メッセージをやり取りすることが可能になります。これによって、例えばキューワーニング(前方渋滞注意、などといった不可視エリアの警告のこと)や、右折時のアシストなどが可能になります。事故の削減に効果があると考えます」


◆5G

「その先の5Gについては、広い帯域、低遅延、低消費電力という特徴があります。リアルタイムの車車間通信で安全性を向上させたり、大容量通信によって快適性の面でも大きなメリットがあると考えます。日本においてはNTTドコモと提携し研究を進めており、米国、中国、ヨーロッパでもパートナーと共同で進めます」

◆質疑応答

Q. なぜコンチネンタルは携帯電話網によるコネクティビティを推進しているのか。狭域通信(DSRC)についてはどう考えるか。

ヒーブル氏:我々はすべての技術をサポートします。DSRCもです。現在5Gが始まりつつあるが、LTEも、LTE-V2Xもサポートしています。どの通信規格を使うかは、最終的には各国の政府が決めることであり、自動車メーカーや部品メーカーではありません。今そのプロセスは進行中であり、まだどの国でも明らかになっていませんが、アメリカ、日本、中国でも、おそらく1~2年のうちに明らかになるでしょう。最初に中国が決めるのではないかと思っています。

Q. 衛星通信に対応した車両はいつ頃出てくるのか?

プロダクトマネジメント・セールス バイスプレジテント ラース・シュルタイス氏:現在インマルサットと共同で開発中です。何社かの自動車メーカーにも共有しています。おそらく2021年くらいに最初の車両が出てくるのではないかと思います。衛星通信はコストが高いので、これを抑える工夫が必要になると考えます。

Q. OTAについて、車両制御のファームウェアの更新は実績があるのか。

シュルタイス氏:実績としては、単一のインフォテイメントデバイス向けの実績になります。今後の課題は、マルチECUアップデートと考えています。早くても2020年ごろになると考えます。

Q. 5Gの活用はいつ頃になるのか。4G LTEから5Gになると、どのようなメリットがあるのか。

テレマティクスシステムズエンジニアリングマネジャー ロバート・ジィ氏:最初の5G製品の出荷は2020年の初頭、二世代目は2030年の予定です。5Gは低遅延、大容量通信が特徴です。4Gのレイテンシは30~80ミリ秒であるところ、5Gは数ミリ秒だけですので、リアルタイムに通信できます。例えばセンサーシェアリングという技術があります。先頭の車両のカメラが捉えた映像を、後続の車両に転送し、解析するというものです。これは5Gならではのソリューションです。

《レスポンス 佐藤耕一》

最終更新:6/16(金) 18:56
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