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新潟県がコメ生産の目標提示 30年産、市町村に 「実情にそぐわず」不満くすぶる

6/16(金) 7:55配信

産経新聞

 県はコメの出荷量を抑えて価格を維持する国の生産調整(減反)が平成30年度に廃止されることを見据え、生産調整を担う県内各地の「地域農業再生協議会」に対し、30年産の生産目標を強制力のない参考値として市町村別に示した。ただ、店頭に並ばないコメを除く流通量をベースに算定したことなどから、自治体側からは「実情にそぐわない」との指摘もあり、不満がくすぶる。独自の目標値を設定する動きもみられ、生産調整に向けた県内の取り組みは曲折を避けられそうにない。 (市川雄二)

 目標値はコシヒカリなどの主食用は計44万トンで、新潟市9万6620トン▽長岡市4万6011トン▽上越市4万1568トン-の順に多く、最も少ないのは湯沢町の456トン。

 30年産米からは国が生産数量目標の策定・配分をやめるため、コメを作付けしていない粟島浦村を除く29市町村ごとに、県が代わりに暫定値として目標を算定。9日、農業団体などでつくる同協議会に示した。

 国の方法とは異なり、県は用途や品種ごとの状況を把握できる検査数量を基に算定。農家が自ら食べる保有米や親戚や知り合いに配る縁故米など店頭に出回らないコメを除く、実際の流通量をベースとした。

 県の担当者によると、目標値を示したのは集荷業者や農家から「参考になるものがなく、何をどれだけ作ればいいか分からない」との声が多く寄せられたためという。県は30年以降は需要に応じた生産量を目指す方針を打ち出しており、担当者は「市町村が試行的に目標を設定する際の参考にしてほしい」としている。

 ただ、検査数量を基に算定した点には疑問の声が少なくない。国から示された29年産の目標が2127トンだった刈羽村は、県の目標値では半分以下の972トンとされた。同村の産業政策課の担当者は「当村は検査を通していないコメが恐らく多く、検査数量に基づく数値は意味がない。目標をどうするかは今後示したい」としている。

 長岡市は独自に目標を定める方針を3月に固めており、農水産政策課の五十嵐智行課長は「県の目標値はあくまでも参考」と話す。国が示した28年産の目標数量を適用する方向で、30年産の目標値の土台となるのは縁故米などを含めた6万296トン。さらに検討を重ねて今秋以降、市内の農家に目標値を示すという。

 魚沼市も独自の目標値を設ける構えだ。農林課の担当者は「保有米と縁故米を除くと地元の実績には合わず、農家に混乱が生じかねない」と懸念する。

 村上市は、今月22日に開く市の米政策検討会で生産者らと話し合う予定。農林水産課の担当者は「必要があれば補正をするなど、県に別の算定方法を求める」としている。

最終更新:6/16(金) 7:55
産経新聞