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【金塊密輸】細かい役割分担、甘言での勧誘… 手口浮き彫り 千葉

6/16(金) 7:55配信

産経新聞

 「無料で2泊3日の韓国旅行をしませんか」-。密輸グループの容疑者らは金塊の「運び役」となる旅行者らに対し、ホテル代や旅費が無料となり、報酬5万円という甘い言葉で犯行を誘っていた。県警などが15日逮捕した金塊密輸事件。犯行グループは細かく役割分担するなど、計画的かつ巧妙な犯行の一端が浮き彫りになった。県警は、金塊約550キロ(総額約25億円相当)が不正に輸入され、2億円を超える消費税の納税を逃れたとみており、不正の全容解明を目指す。

 県警によると、密輸グループは、別の詐欺罪で服役中だった早川和男容疑者(40)をリーダーとし、金を安く買える香港での金塊の買い付け役や、香港から韓国・仁川空港までの運び役、韓国から日本への運び役を集めるリクルーターなど細かく役割を分担していた。

 捜査関係者によると、SNSや口コミで集まった応募者は、面接を担当するメンバーから事前に面接を受けていた。パスポートの提示を求められ、海外の渡航歴が極端に多かったり、全くない人は怪しまれるとして警戒し、意図的に外すという念の入れようだった。

 選ばれた運び役は男女ペアとなり日本と韓国の飛行機の往復チケットを渡され、韓国に旅立つ。密輸グループから指示がある以外は、通常の観光と変わりがないという。

 帰国日になると運び役とグループは接触。運び役は仁川空港のトランジットエリア内のホテルの一室に呼び出され、「手荷物」を渡されたという。

 「手荷物」は一見すると、免税店の袋に詰められた土産のキムチや高麗人参酒。だが、中身は全てすでに捨てられており、プラスチック製の容器には代わりに1キロの金塊が入っていた。音が出たり、重さが合致せず不審に思われないよう粘土が詰め込まれるなどの偽装が施されていた。

 運び役は少なくても3便に分かれ、仁川空港を出発。成田空港に到着したものの、X線検査などで不審な点が見つかったことで事件が発覚。その後の県警などの捜査で、運び役に指示を出していた密輸グループが逮捕される事態に発展した。

 運び役には実際のカップルもいたが、「あまりによそよそしい」(捜査関係者)ペアもいたため、不審に思う税関職員もいたという。

 県警は運び役の27~48歳の男女8人についても任意で事情を聴く方針。タダにつられて応募した韓国旅行の代償は高くつくことになりそうだ。 (橘川玲奈、長谷裕太)

最終更新:6/16(金) 7:55
産経新聞