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長期金利の低下続けば、国債買い入れ減額可能=黒田日銀総裁

6/16(金) 17:58配信

ロイター

[東京 16日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は16日の金融政策決定会合後の会見で、一般論として、長期金利の上昇圧力が低下する局面では国債買い入れ額を減らせるとの考えを示した。

大規模な金融緩和からの出口においては、長期金利目標の引き上げよりも短期金利の変更や保有資産の規模縮小を議論するのが先との考えをにじませた。日経平均株価が2万円台に乗せているものの、上場投資信託(ETF)の早期買い入れ縮小は考えていないとの認識を示した。

<出口局面では、長期金利より短期金利目標を重視>

日銀は昨年9月、金融政策の緩和度合いを示す目安を従来の「量」から「金利」にシフトしたが、急激な市場変動を避けるため、長期国債の買い入れ額について残高ベースで「年間80兆円程度」との文言を維持し続けている。しかし、最近は米国発の金利上昇圧力後退を背景に国債買い入れを徐々に減額しており、足元では年換算50─60兆円台まで減少したとの試算もある。

黒田総裁は、金利上昇圧力が低下すれば国債買い入れも減額できると「考えて構わない」と明言。実際、過去半年には「米金利の上昇時に国債買い入れを拡大し、米金利が低下した後は国債買い入れの拡大が必要でなくなった」と説明した。一方、好景気の続く米国で、金利が今後も上昇しないと「決め付けることはできない」と予防線を張った。

出口局面で、現在ゼロ%としている長期金利の誘導目標を引き上げる可能性は「あり得る」としつつも、「中央銀行が直接コントロールできるのは短期金利と国債買い入れ」と指摘。 日銀が進めているような大規模な量的緩和・非伝統的金融政策の出口は「短期金利と資産規模が焦点」と指摘。長期金利目標よりも、現在マイナス0.1%としている短期金利の引き上げの有無が主要な論点との見方を示した。

日銀は昨年7月の決定会合で、英国の欧州連合(EU)離脱に伴うリスク対応としてETFの買い入れを増額した経緯があり、市場では、減額の可能性も取り沙汰されている。黒田総裁は「2%目標と離れて、(ETF買い入れを)やめることはない」と述べ、国債買い入れから独立させてETF買い入れの縮小を議論する可能性は小さいとの見解を示した。

2%の物価目標達成まで「まだかなり距離がある」ため、今の時点で「出口の手法や順序を示すのは難しい。具体的な話はかえって混乱を招く」との従来見解を繰り返した。2%目標の達成に難航している理由については「デフレマインドの払拭に時間がかかっている」ことなどを挙げた。一方で「2%は達成可能」と強調し、「2%の目標が達成できないとか、適切でないということではない」と述べた。

(竹本能文 伊藤純夫 編集:田中志保)

最終更新:6/16(金) 17:58
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