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TOC条約加盟のメリットは? 捜査協力依頼、外交ルート介さずに

6/16(金) 7:55配信

産経新聞

 「テロ等準備罪」の新設で、日本はようやくTOC条約に加盟し、犯罪捜査上のメリットを享受できるようになる。犯罪のグローバル化が進む中、捜査現場では、水際で食い止める一助になると期待されている。

 法務省幹部は「TOC条約を締結できなければ、日本は国際社会で取り残されてしまう」と危惧する。国際社会がテロの事前情報を得ても、日本はその情報を受け取ることさえままならないのが現状だからだ。

 TOC条約に加盟すれば、日本は「捜査共助」の条約を結んでいない国にも捜査協力を依頼できるようになる。捜査共助とは、国同士が犯罪捜査を協力し合う制度。TOC条約の締結国間であれば、日本が捜査共助の条約を結んでいる米国、韓国、中国、香港、EU、ロシアと同様、外交ルートを介さず、日本の捜査機関が法務省などの中央当局を通じて現地の捜査当局に直接協力を依頼できる。

 依頼できるのは、容疑者の人定や犯罪に利用された金融機関の口座照会など。相手国が拒否する場合は理由の明示が必要になる。

 また、国外に逃走している容疑者の引き渡しを取り決めた「犯罪人引き渡し条約」を日本と締結しているのは米国と韓国の2カ国だけだが、TOC条約締結後は、引き渡し条約を結んでいない国にも、引き渡しを求めることができる。

 テロ等準備罪は条約批准のための担保法だが、「国内の組織犯罪対策にも資する」(検察幹部)という。

 組織的犯罪集団の関与が想定される詐欺や人身売買に関する犯罪などには現行法上、共謀罪や予備罪の規定がなかった。売春組織が人身売買を計画しても処罰できないのが現状で、法務省幹部は「今まで準備段階で処罰できなかった穴をカバーできるようになった」と話している。

最終更新:6/16(金) 7:55
産経新聞