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<宮城県>海の恵みタップリ ホヤ水揚げ最盛期

6/16(金) 18:25配信

毎日新聞

 全国一の養殖ホヤ生産量を誇る宮城県で、ホヤの水揚げが最盛期を迎えている。一大消費地・韓国の禁輸措置が続く影響で、今年も大半のホヤを廃棄せざるをえない状況だが、その一方で国内消費は伸びており、漁師たちはさらなる消費拡大に希望を託している。

 鮫浦(さめのうら)湾に面した同県石巻市の谷川(やがわ)漁港。16日未明、漁船に乗った漁師がロープに付いた鈴なりのホヤを海から引き揚げる作業に取り組んだ。午前6時半ごろまでに約3トンのホヤを水揚げし、販売用に業者に引き渡した。

 宮城県漁協によると、東日本大震災前は県内生産量の約7割を韓国に輸出していた。しかし韓国が2013年以降、東京電力福島第1原発事故を理由に禁輸措置を続けており、県漁協はホヤの大量処分を余儀なくされている。昨季は水揚げした1万3200トンの約6割に当たる7600トンを廃棄したという。

 一方、ホヤの国内消費は震災前の2倍以上に伸びている。この日水揚げした漁師の木村忠芳さん(68)は被災後ゼロから再出発し、生産量は震災前の水準に回復。今はスーパーなどの求めに応じ、以前より約3カ月早い2月から8月までの長期間水揚げし、廃棄せず全量出荷している。「少しでも食べてもらえるなら、期待に応えたい。鮮度のいいホヤを届けられれば、きっとおいしいと分かってくれるはず」と話す。

 同じく水揚げに汗を流した漁師の渥美貴幸さん(34)は若手漁師らで漁業の魅力を発信する一般社団法人「フィッシャーマンジャパン」の一員。今は首都圏の飲食店と協力してホヤを使ったメニューの開発をしたり、鮮度を維持した輸送方法を模索したりしているという。渥美さんは「次の世代のことも考え、ホヤの魅力を国内にもっと広めたい。三陸の海の恵みが詰まった新鮮なホヤをぜひ食べてほしい」と話した。【百武信幸】

最終更新:6/16(金) 21:18
毎日新聞