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FRB利上げ決定 日銀、金融緩和は持久戦 「米国発 追い風弱まる」

6/16(金) 7:55配信

産経新聞

 米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の正常化に向け、着々と歩みを進めている。日米金利差が拡大して円高に振れるリスクが抑えられるため、2%の物価上昇率を目指し、「異次元の金融緩和」を粘り強く続ける日銀にとっては追い風となる。ただ、米国経済の先行きに「期待外れ」との見方が出始めるなど、日銀の緩和効果がいつまで続くのか読めない状況だ。(米沢文、ワシントン 小雲規生)

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 FRBは14日に追加利上げ決定と資産規模の縮小計画の発表に踏み切ったが、米国経済の先行きには不安材料もくすぶる。4月の物価上昇率は1・7%で、1~3月の2%前後の水準から低下。失業率は16年ぶりの低水準まで改善したが、賃金の上昇ペースは鈍い。

 しかし、イエレン議長は「労働市場の改善が続いていることを踏まえれば、今後2年間で物価上昇率は2%の目標に向かっていく」との立場を崩さなかった。物価の伸びが鈍化しているのは、携帯電話料金や医薬品など、特定分野の値下がりが影響したとみているためだ。

 トランプ政権が議会の調整に手間取って、減税やインフラ投資の道筋を付けられないでいることも経済活動を冷やす可能性がある。これに対しても、イエレン氏は「大きな影響があるとは考えていない」と強調。政策期待が後退するなかでも経営者や消費者の景気への見通しは「極めて強い」として、今後の堅調な経済成長に自信を示した。

 イエレン氏の姿勢に金融市場では「予想したほど(景気に弱気な)ハト派ではなかった」と驚きを持って受け止められた。利上げを決めたにもかかわらず、「経済の先行きは思っていたほどは強くない」という投資家の見方を反映し、米国の長期金利は低下した。

 日米金利差拡大による円安効果と物価の押し上げを期待する日銀から見ると、逆方向に動いた格好だ。みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは「日銀をヨットに見立てると、帆に受ける米国発の風が弱まって進みにくくなってきた状態だ」と解説する。

 日銀は15日から2日間の日程で金融政策決定会合を開いている。短期金利をマイナス0・1%、長期金利を0%程度に誘導する現行の政策を維持する公算が大きい。日銀の緩和は持久戦の様相だが、米国頼みの側面が大きいだけに、黒田東彦総裁の次の一手が注目される。

最終更新:6/16(金) 7:55
産経新聞

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