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国民、実感なき回復 「アベ景気」拡大53カ月 でも賃金・消費は低迷

6/16(金) 7:55配信

産経新聞

 内閣府は15日、景気の拡大や後退を判断する景気動向指数研究会(座長=吉川洋・立正大教授)を約2年ぶりに開き、安倍晋三政権が発足した平成24年12月に始まった「アベノミクス景気」の拡大が続いているとの認識で一致した。今年4月までの拡大期間は53カ月となり、バブル景気の51カ月を抜いて戦後3番目の長さ。9月まで拡大局面が続けば58カ月に達し、昭和40年代の「いざなぎ景気」(57カ月)を抜き、戦後2番目の好景気となる。(山口暢彦)

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 会議では景気の拡大が、平成26年4月の消費税増税を機に後退に転じたか検討した。雇用や企業収益が堅調だったことなどから、後退への転換点を示す景気の「山」は認定しなかった。

 現状に関してはデータの蓄積がないため正式に判断しなかったが、「明確な景気の下降がみられない」との見方を共有した。

 「『景気拡張が続いている可能性が高い』というのが、委員の全員一致のコンセンサスだ」。研究会後の記者会見で、吉川座長はこう説明した。

 アベノミクスは、大胆な金融緩和や財政政策を推し進め、円安・株高による企業収益の改善や雇用の拡大を促した。今年4月の有効求人倍率(季節調整値)は1・48倍と、バブル期のピークだった2年7月(1・46倍)を上回った。

 消費税増税のあった26年に景気が後退しなかったと研究会が判断したのも、こうした雇用の指標や企業収益が堅調さを維持し続けたからだ。

 ただ、足元では賃金が十分に伸びず、消費意欲が低迷するなど、「景気回復の実感は乏しい」と指摘する市場関係者は多い。

 毎月勤労統計によると、今年4月の1人あたりの現金給与総額は27万5321円で、24年4月(27万2470円)からわずか1%程度の増額にとどまる。

 小売りの現場からは「デフレマインドや将来への不安が払拭できず、日常の消費には節約志向がうかがえる」(日本チェーンストア協会の井上淳専務理事)との声も上がる。

 人材投資や研究開発で生産性を高めて企業業績をさらに改善し、賃金上昇に結びつけることが重要だ。

最終更新:6/16(金) 7:55
産経新聞