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<本因坊戦>6連覇の文裕 際立つ一層の充実ぶり

6/16(金) 20:16配信

毎日新聞

 本因坊文裕(もんゆう、28)=井山裕太九段=が、初めて無敗で本因坊戦を制した。福岡県みやこ町のサン・グレートみやこで打たれた第72期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、みやこ町実行委、QTNet共催)は16日、文裕が本木克弥八段(21)を降して6連覇を決めた。大局観の明るさ、ヨミの正確さ、最後まで緩まない厳しさ。日本の第一人者、文裕の一層の充実ぶりが際立ったシリーズだった。

 序盤から激しい接近戦となった第4局。右下の競り合いで、白番の文裕はペースをつかんだ。下辺で本木に錯覚もあり、難解な競り合いが続いたが、文裕はリードを保ち、最後は堅実に逃げ切った。本木は勝負手を連発したが、及ばなかった。

 今シリーズの文裕は、リラックスしていると評判だった。対局では持ち時間を使いすぎず、決断の良い着手が目立った。本因坊戦の合間、先月末に出場した韓国での国際棋戦、LG杯でも連勝でベスト8に進出した。

 昨秋、7冠から後退し、今春は囲碁の人工知能、中韓トップ棋士との戦いに3連敗した。しかし文裕は試練を糧に隙(すき)を無くし、結果を残した。残る1冠の名人も、挑戦者を決めるリーグ戦でトップを走っており、7冠復帰も視野に入ってきた。

 7大タイトル戦初挑戦の本木は、本来の手厚い打ち回しを好調の文裕に封じられ、実力を発揮する前にシリーズを終えた。粘りある戦い方、体力などを鍛え、ひのき舞台に戻ってくることが期待される。【最上聡】

 本因坊文裕の話 1日目から流れは良かった。左下の地を確保し、いけるかと。毎局難しい碁ばかりだったが力は出し切れた。今の自分の状態はまずまず。今後も納得のいく碁を打ち続けたい。

 本木克弥八段の話 下辺で錯覚があり、白に先手で右上に回られては苦しい。ずっと我慢の展開となった。実力不足、本因坊との力の差を感じた。いろいろ課題があるので、頑張りたい。



 ◇本因坊文裕(ほんいんぼう・もんゆう)

 井山裕太(いやま・ゆうた)九段。1989年、東大阪市生まれ。2002年、入段(プロ入り)。16年に7冠を達成、本因坊戦5連覇で永世本因坊(二十六世)の資格を得た。タイトル獲得、優勝回数は44回。

最終更新:6/16(金) 21:22
毎日新聞