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<IS>最高指導者バグダディ容疑者死亡か ラッカ空爆で

6/16(金) 21:45配信

毎日新聞

 【モスクワ杉尾直哉、カイロ篠田航一】ロシア国防省は16日、過激派組織「イスラム国」(IS)の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者が、ロシア軍が5月28日にシリア北部ラッカで行った空爆で「死亡したとの情報がある」と発表した。タス通信が報じた。

 一方、ロイター通信などによると、IS掃討作戦を続ける米国主導の有志国連合は死亡情報を未確認だという。ラブロフ露外相も殺害を「100%確認する情報を持っていない」と慎重だ。バグダディ容疑者は過去にも死亡情報が流れたことがあり、ロシアは現在、複数のルートで事実確認中という。

 露国防省によると、無人機の情報収集でISが「首都」と位置付けるラッカ南郊の拠点で幹部会合があることを把握。5月28日午前0時35分から10分間、スホイ爆撃機などで攻撃し、IS軍事部門の司令官級約30人と戦闘員約300人を殺害した。この中にバグダディ容疑者が含まれていた情報があるという。攻撃は事前に米国にも伝達していたという。

 ISは一時は主要拠点だったシリアやイラクの各地で軍事的劣勢に追い込まれている。ラッカでも米軍支援の民兵組織が地上侵攻作戦を今月始めた。露国防省によれば、空爆された幹部らは脱出経路を協議中だった。最高指導者の死亡が確認されれば大打撃となる。

 バグダディ容疑者は2014年6月、イスラム教預言者ムハンマドの後継者「カリフ」が統治する「カリフ制国家」成立をインターネットで宣言。その後、イラク北部モスルのモスク(イスラム礼拝所)で演説を行う姿が公開されたが、以後は音声メッセージを出すのみだ。

 「肉声」の最後の公開は16年11月で、「現在の戦闘は勝利への序章。弱気にならず、イスラム教を傷つける敵と戦え」と支持者を鼓舞した。米国はバグダディ容疑者の逮捕につながる情報提供者に2500万ドル(約27億8000万円)の懸賞金を用意し行方を捜索している。

 バグダディ容疑者は1971年イラク中部サマラで生まれた。首都バグダッドの大学でイスラム神学を学んだ後、国際テロ組織アルカイダ系組織で活動したが13年に脱退。シリアの過激派組織などを吸収しISの前身組織を作った。

最終更新:6/16(金) 21:55
毎日新聞