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「キッズウィーク」成功するの?問題点や現実的な方策探る

6/17(土) 11:02配信

スポーツ報知

 夏休みなど子供たちの学校の長期休暇の一部を別の時期に移し、地域ごとに大型連休を作る「キッズウィーク」が来年度から導入される見通しとなった。家庭で親子が触れ合う時間を増やすことが狙い。保護者が休暇を取れるよう経済界にも協力を要請するが、果たして、その効果は。問題点や現実的なやり方も合わせて探った。(田中 俊光)

 安倍首相は先月、政府の教育再生実行会議で次のように述べ、「キッズウィーク」導入の意図を説明した。

 「家庭や地域の教育力を高めるためには、大人が子供に向き合う時間を確保することが必要。ゴールデンウィーク(GW)などの時期、どこもかしこも大渋滞。大混雑で疲れ果てる。料金も高く出費がかさむ。ひいては出かけるのも嫌になってしまう。こういう負のサイクルを打ち破るためのチャレンジであります」

 「働き方改革」と併せた「休み方改革」の一環として掲げられたアイデア。「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太の方針)に盛り込まれ、今月9日、閣議決定された。

 学校の長期休暇の開始を遅らせるか終了を早め、その分の5日間を連休のない時期に移すことで、前後の土日と合わせて「9連休」を作る。公立学校は義務化し、私立校には協力を求める。早ければ、18年4月からの実施が可能になる。

 15年の有給休暇(有休)取得率は、48・7%(取得日数÷企業が付与した年次有休日数)にすぎない(厚生労働省・就労条件総合調査による)。これを政府は20年までに70%に引き上げる目標を掲げており、「キッズ―」を有休取得促進につなげたい考えがある。経団連も歓迎し、会員企業に年3日程度の追加的な年休取得を呼び掛けると意欲的だ。

 親子で過ごす時間が増えることに加え、地域で休みを分散させることでGWやお盆の時期に集中する旅行需要をバラけさせられる利点がある。観光産業は閑散期が減り、収益や雇用が安定。地域の活性化にもつながると期待されている。

 とはいえ、実現性と効果については不透明な部分も多い。政府は企業に協力を要請するとしているが、企業個々の努力に委ねると足並みがそろわないのは、2月に導入されたものの、ほぼ浸透していない「プレミアムフライデー」(月末金曜日の就業時間切り上げ)の例を見ても明らか。バブル期を超える人手不足の現状では有休取得促進に協力できない企業も出るはずだ。たとえ企業が従っても、現場レベルでは従えない(休めない)という状況になることも容易に想像がつく。休暇取得を促す、強制力を持った法の整備も求められそうだ。

 問題点に指摘されるのは、まず、非正規の時給で働く人にとって、休日が増えることは収入減に直結するという点。また、「子供がいない人や独身者にも適用されるのか。仕事にしわ寄せが来るのでは」と心配する声も挙がる。さらに「ただでさえ人手が足りていないサービス業の仕事量が増えるのでは」「部活動の全国大会などは日程が組みづらくなる」と懸念の声は尽きない。今後の成り行きが注目される。

最終更新:6/17(土) 11:02
スポーツ報知

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