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【二十歳のころ 南野陽子(4)】ライバルは斉藤由貴ちゃん?おニャン子?本当は…

6/16(金) 15:00配信

サンケイスポーツ

 「スケバン刑事II」の仕事が決まったのは、18歳でデビューした2、3カ月後。「わぁ! 学園もの!」と喜んだけど、「アクション!?」って。私は運動があまり得意ではなく、でんぐり返しもできなくて。

 だから、とにかく努力しました。毎日、家のお布団の上で、でんぐり返しの練習をして。ヨーヨーだって1回もできなかったけど、とりあえず投げては巻いて、投げては巻いて。「毎日100回やる!」と決めてやれば、わりと早い時期にいろんな芸ができるようになるものなんです。

 それでも、やっぱり腕立て伏せとかは何回もできなくて、撮影ではピアノ線で体をつるして腕立てをしたり。視力も0・06とかだったから、よけるはずのパンチを顔面にくらったりと、体中アザだらけ。「スケバン-」がブームになっていたのを知ったのは、ずっと後ですね。当時は自分のことで精いっぱいだったから。

 でも、どんなに頑張っていても、やっぱりアイドルは女優として見てもらえなかったりするわけで。テレビ朝日系新春ドラマ「春燈」に出演した21歳のとき、記者会見で『監督、アイドルを文芸作品に起用する抵抗はありませんか?』と質問されて、『あ、こんな365日のうち360日お芝居をしているのに、女優として見られないんだな』と悔しかったのを覚えています。

 あのころは今みたいにインターネットが発達していなかった時代で、私が発言できる場も少なかったから、憶測の記事も多くて。比較しやすいアイドルがいっぱいいたからか、新聞や週刊誌では「ナンノvs●●」って書かれることも多かった。

 相手は「スケバン刑事」のパート1をやっていた斉藤由貴ちゃんや同じく歌もお芝居もやっていて同期だった中山美穂ちゃんで、どっちがドラマの主役を勝ち取ったとか、どっちの方がいま人気があるか、とか。

 あと、私はどちらかというと、最初の方に出たドラマが「時をかける少女」とか「スケバン刑事」とかフジサンケイグループよりの“フジっ子ちゃん”だったので、フジテレビの番組から誕生したおニャン子クラブと写真集の売り上げとかで比べられることも多かったかな。

 いろいろ言われてきたけど、実際はギスギスとかしていなかったし、私自身は彼女たちをライバルだと思ったことはないんです。

 ライバルはどちらかっていうと、自分の同級生でした。私の住んでいた神戸のお友達から大学に進学したと聞き、「私も行きたかったな~」とか。就職したと聞けば、「私もしっかりしなきゃ」とか。結婚や出産、出世したとか聞くと刺激にもなるし、そういう意味では今もライバル。彼女たちとは今でも会って、悩みを聞いてもらっています。

 私もいろいろあったけど、結局、若いころは悩んだもん勝ちじゃない?と思うんです。自分の意見を通すことではなく、考えることが大事。たとえば会社で企画を出しなさいと言われ、頑張って出しても、若いうちは通りもしないかもしれないけど、考えることが自分の幅になっていく。

 もったいないと思うのよ。上司がせっかく自分の意見を言うチャンスをくれているんだから。生意気って言われるのも、若さゆえ。二十歳のころは、もがいていなさいって。それで良いと思うんです。 (終わり)