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桂歌丸、チューブを鼻から入れた姿で神対応 「まだまだ養生しなければ」/芸能ショナイ業務話

6/16(金) 15:00配信

サンケイスポーツ

 中村梅彌さんは歌舞伎俳優、七代目中村芝翫さんの長女で、妹に十八代目中村勘三郎さんの妻、波野好江さん、弟は中村福助さん、八代目芝翫さんを持つ日本舞踊家として活躍している。

 実弟、福助さんは2013年9月に中村歌右衛門の七代目として襲名すると発表しながら、11月公演中に脳内出血で舞台を途中降板。節目、節目で八代目芝翫さんに福助さんの現状を尋ねていた。

 ここ最近、福助さんの様子を聞いていないことに気付き、「あわよくば現状を…」と思いながら、14日の日本舞踊協会主催「第1回日本舞踊 未来座『賽=SAI=』」の取材に参加した。

 取材が始まり、報道陣から今後、同公演でおいの中村勘九郎と七之助の出演することはあるか、と聞かれた梅彌さんは「(2人は)協会員ではないので…。でも、弟の福助と新芝翫は会員なので、機会があれば」と、さりげなく弟2人の名前をあげ、こちらが聞きやすいように水を向けてくれた。もちろん、報道陣も福助さんの現状を質問。すると「一生懸命、毎日リハビリをして、1日も早く皆さまにお目にかかれるのを楽しみにしています」と教えてくれた。

 梅彌さんと同日に仕事復帰を果たした落語家の桂歌丸さんの取材もあった。2日に誤嚥性肺炎から慢性呼吸器不全の急性増悪で横浜市内の入院していた歌丸さんは、この日午前11時頃退院し、午後0時46分に落語会が開催される会場に入った。

 約11分間のあいさつは、酸素を吸入するチューブを鼻から入れた姿で、入退院を繰り返すことに「うちにいた時間よりも病院にいた時間の方が長うございます」とユーモアタップリに語りだし、誤嚥性肺炎の説明。「みっともなくて、今の目方なんてハッキリと申し上げられません。35キロなんていえません」と自虐ネタを披露した。

 また「ベッドに寝ていると暗くなる。芸が陰気になってはいけないと思って、あまり陰気なことを考えないようにしていた」と入院時の心境を明かし、「ついていないときは恐ろしいもんで…」と左手首の包帯をチラリと見せ、9日夜に体勢を変えようとした際、左手をついてひねったことを告白。ベテランの話術で観客を笑わせ、驚かせ、噺に引き込んだ。

 その15分後、車の窓を開け、報道陣の前に登場。「退院おめでとうございます」の声に笑顔で会釈し、「なんとかなんとか。まだまだです。まだまだ養生しなければなりません」とはっきりとした声で応じてくれた。

 自身の代役を務めてくれた三遊亭小遊三さんと林家たい平さん、春風亭小朝さんに一言おわびをという一心から駆け付けた義理堅い歌丸さん。18日の東京・有楽町のシアタークリエでの落語会で高座復帰が見込まれるが、楽屋を去り際に「18日、よろしく」と力強く答えてくれた。

 さりげない梅彌さんと歌丸さんの気遣いに感激した1日でした。(くのいち)