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潘基文・前国連事務総長が“再就職” IOC倫理委員長に 「透明性を語るとは牛が笑う」

6/16(金) 12:46配信

産経新聞

 韓国の潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長(73)が16日までに、国際オリンピック委員会(IOC)から倫理委員会の次期委員長に指名された。韓国で「世界大統領」と称される国連事務総長から韓国大統領への転身を画策しながら、“失言”などで評判を落としただけに、韓国国内では新たな“再就職先”を得た潘氏を嘲(あざけ)る声が広がっている。

 IOCは潘氏を倫理委員長に指名した理由について、公式サイト上で「2007年から2016年まで国連事務総長を務め、国連で最高水準の倫理や透明性を具現した」と説明。今年9月にペルー・リマで開かれるIOC総会での投票を経て、正式に決定する。

 委員長を含め9人で構成される倫理委員会は、IOC委員の倫理綱領違反などを調べる。委員の任期は4年で再選が可能。現職のヌディアエ現委員長(セネガル)は、9月の総会限りで退任する。

 IOCからの指名を受諾する意思を示した潘氏は、「候補に選ばれたことは非常に光栄だ。IOCの責任感と透明化を強化するために全力を尽くす」とコメントした。

 韓国では来年2月、平昌冬季五輪が開催される。韓国の聯合ニュース(日本語電子版)によると、韓国外務省当局者は16日、「潘氏が平昌冬季五輪・パラリンピックの成功に寄与するものと期待する。潘氏はIOCと良い関係を維持しており、国際経験も豊富だ。IOCの責任感と透明性を高める任務も十分こなせると期待する」と、潘氏のIOC倫理委員長就任を歓迎したが…。

 潘氏は昨年12月、2005年と2007年に計23万ドル(約2700万円)の裏金を韓国の実業家、朴淵次氏から受け取ったと報道された。今年1月には、実弟とおいがベトナムにある高層ビルの売却をめぐり賄賂を提供したなどとして、ニューヨークの連邦裁判所に起訴された。

 こうした“逆風”にもかかわらず、1月12日に韓国に帰国した潘氏は、「分裂した国を一つにするのにこの身をささげることも辞さない」と大統領選への出馬を表明。一時は保守陣営の最有力候補ともてはやされた。

 しかし、慰安婦問題をめぐる日韓合意を高く評価したのが、国連事務総長を離任した後は、日本政府の拠出金が日本大使館前の慰安婦像撤去が条件なら「金を返すべきだ」などと発言。風向きによって主張を簡単に変える姿勢が批判されて支持を失い、立候補取り下げに追い込まれた。

 潘氏がIOCの倫理問題を主導、調査することについて、韓国国内では「潘基文が透明性を語るなんて牛が笑う」「透明性を高める? また自分が透明人間になるだけじゃないの」といった声がツイッターなどに殺到している。

 また、潘氏を倫理委員長に指名したIOCに対しても、「さすが不正の温床IOC!」「IOCは実弟とおいが賄賂で起訴されたのを知っていて指名したのか?」「オリンピック精神がどれだけ失われているかが分かる」と嘲笑が浴びせられている。(WEB編集チーム)

最終更新:6/16(金) 12:46
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