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天ぷら対決、チェーン2社が関西で火花 高級店より手頃な価格設定

6/17(土) 10:08配信

産経新聞

 客の前で揚げる天ぷら定食チェーン2社が関西を舞台に火花を散らしている。「まきの」と「えびのや」。いずれも1食あたり千円前後と、他のチェーンよりは高いものの、高級店よりは手頃な価格を設定している。それぞれを運営する企業は異なるジャンルで成長してきたが、天ぷらで真っ正面からぶつかることになった。生き馬の目を抜く飲食業界で新潮流を生み出せるか。(藤谷茂樹)

 ジュウ、パチパチパチッ-。大きな銅釜で天ぷらを揚げる音がはじける。昨年10月にオープンした「天ぷらまきの梅田店」(大阪市北区)は、阪急梅田駅の中央改札口の前に立地する。「仕事帰りに一杯」という人も呼び込もうと、看板から「定食」の文字を外した。

 店は料理人が天ぷらを揚げる姿を見せるつくりで、高級感をかもす。食事を終えた大阪府熊取町の70代の夫婦は「揚げたてを気軽に味わえた。おいしかった」と満足げだった。

 「まきの」は大阪、兵庫を中心に計8店を展開しており、できあがった天ぷらから順に皿に盛っていく「都度揚げ方式」を採る。定食がメーンだが、天丼特化の店も京都市内に出した。

 一方「えびのや」は主に関西で14店を展開している。都度揚げ方式ではないが、客の目の前で揚げるスタイルで定食、天丼の両方を提供する幅広いメニューが売りだ。

 まきの1号店(兵庫県播磨町)のオープンは平成18年。セルフ式うどん店「丸亀製麺」で知られるトリドール(神戸市)が、福岡県に多い天ぷら定食の専門店を参考に挑戦した。

 しかし、1号店は業績不振で閉店。業態推進部、尾関友朗チーフマネージャーはまきの1号店について「ノウハウもなく、まねただけだった」と話す。試行錯誤を重ね、建て直しに向け25年に開店したラポルテ店(同県芦屋市)で都度揚げ方式を始めた。ネタによって出来上がる時間が違うため、従業員の訓練だけでなく、メニューを工夫することで実現したという。

 翌26年開店のセンタープラザ店(神戸市中央区)では当初、590円の定食を出すなど値頃感を重視。現在とは異なるスタイルだが、店の知名度を上げるきっかけになった。尾関チーフマネージャーは「丸亀製麺に続く経営の第2、第3の柱に」と意気込む。

 一方、ライバルのえびのやを運営するのは、「まいどおおきに食堂」のフジオフードシステム(大阪市)。26年に博労町店(大阪市中央区)をオープンし、ビジネス街の小規模店、ファミリー層をねらったロードサイドの大型店、ショッピングセンター内店と、多彩な展開をみせている。

 両チェーンとも価格は1千円前後が基本だ。例えば、まきの梅田店では一押しの「まきの定食」は1069円で、えびのや南森町店(大阪市北区)では、定食は853円から、天丼は810円からとなっている。

 これまで天ぷらは、1食あたり数千円の高級店と「天丼てんや」など数百円で天丼を提供するリーズナブルなチェーン店に二極化。まきの、えびのやの価格帯は、空白を埋めるものだ。

 それだけに両チェーンとも拡大に可能性を感じている。ともに関西を足場にしてきたが東京にも進出。まきのは昨年、武蔵小山に、えびのやは27年、高田馬場にそれぞれ出店した。

 トリドールの尾関チーフマネージャーは「手堅く出店を重ね、着実に業績を伸ばしていきたい」と語る一方、フジオフードシステムの広報担当者も「成長ブランドとして力を注いでいる」。関西の天ぷらバトルは、これからさらに熱くなりそうだ。

最終更新:6/17(土) 17:41
産経新聞

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