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AIが職場の幸福感を計測して働き方を変えるー日立のハピネステクノロジー20社以上が導入

6/16(金) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

名札型のセンサーを身につけた従業員から日々集積する行動データを元に、 組織の「活性度」や従業員同士の関係性を計測・可視化する事業が注目を集めている。これは日立製作所(東京都千代田区)のAIを活用した顧客サービスであり、組織の活性化や生産性向上を支援する。研究開発グループ技師長の矢野和男氏によれば、「供給が追いつかないぐらい注文をいただいている状況」なのだという。

【画像】日立が開発した名刺型のウェラブルセンサー。誰と誰が、いつ、何分間対面したかという「対面情報」、行動しているか静止しているかといった「身体情報」、さらにはビーコンとの連動でどこに滞在しているかという「場所の情報」を計測できる。

この4月からは、みずほ銀行でも、営業と企画2部門でこのテクノロジーを使った実証実験が始まったところだ。営業部門ではセールス力向上を、企画部門では業務効率化を目指している。三菱東京UFJ銀行、JALをはじめ、すでに導入したところ、あるいは今後導入する企業も含め、2年間で20社以上から注文が相次いだ。

「ニーズは製造業、サービス業、金融業、運送業など、『ほとんど全方位』の業種にまたがる。しかも、営業、企画……とあらゆる部門から引き合いがある」(矢野氏)

動きの“データ”で測る働き手の幸福度

このサービスで用いる「Hitachi AI Technology/H」は、自ら学習し判断する、いわゆる多目的人工知能だ。とはいえ、ビジネスの売り上げ増や業務の効率化といった顧客のアウトカム(成果)に結びつかなければ、AIを使ったサービスとうたったところで、ビジネスにはならない。実は日立が強みとしているのは、AIが分析の手がかりにしている「ものさし」のテクノロジーなのだ。

ブレークスルーの原点は、研究に「幸福(ハピネス)」という概念を持ちこみ、幸福感を測定することを目指したところにある。矢野氏らの研究開発グループは、まず、人の身体運動のデータから特徴的なパターンを割り出した。同時に、人が充実感を感じていたり、逆に職場のムードが悪くなったりした時にどのような反応を示すかを大量に分析するため、感情にまつわるアンケートも行った。そのアンケートを組織ごとに平均化することにより、その組織が幸せかどうかを数値化した。

研究からわかったのは、センサーで測定した人の身体の動きと、人の感情とに関連性があり、幸福は「無意識の体の動きのパターン」に現れるということ。そこから、組織の「幸福感の度合い(ハピネス度)」を数値化して「見える化」する仕組みを開発することに成功した。

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