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福岡市課長級が飲酒運転 市、アルコール依存症把握せず

6/16(金) 9:49配信

西日本新聞

 なぜ繰り返されるのか-。15日、福岡市の課長級で外郭団体・市住宅供給公社の男性総務課長=当時(54)、11日に病死=が、飲酒運転で当て逃げをした道交法違反容疑で書類送検された。事故後、課長はアルコール依存症と診断されたが、公社も市も病状を把握していなかった。2006年の市職員(当時)の飲酒運転による3児死亡事故後、市関係者の飲酒絡みの不祥事はこれで17件目。うち少なくとも5件はアルコール依存症と診断されたケースで、市は職員の管理に一歩踏み込んだ対策が求められそうだ。

⇒3児死亡事故以降に起きた福岡市関連の飲酒絡みの不祥事

 「結果から言えば、認識が甘かったと言われても何の弁解もしようがない」。15日の記者会見で公社の和志武三樹男理事長は声を絞り出した。公表が遅れたことについては、飯田光夫専務理事が「県警の事実確認後に公表する予定だった」と釈明した。

依存症と分かったのは事故後

 公社によると、総務課長の糖尿病や肝機能障害などの持病は把握していたが、アルコール依存症であることは知らなかった。以前、かかりつけの医師から専門医の受診を勧められていたものの従わず、上司にも報告していなかったことも判明。依存症と分かったのは事故後、県警に促されて心療内科を受診した今月7日になってからだった。

 事故前の受診につなげることはできなかったのか。飯田専務理事は「(総務課長から)インスリンを打っていると聞き、飲酒を控えるよう伝えた」としつつも、「依存症だと感じなかったので、その話はしていない」。和志武理事長は「個人の問題に踏み込むこともあるので慎重にしつつも、防ぐ取り組みをやらなくては、と痛感している」と話した。

 市や公社では、健康診断で肝臓の数値が悪かったり、問診で酒量が多かったりする職員をリストアップし、保健師が指導している。昨年4月に公社に出向した課長も該当者だった。「専門医を受診するかは本人の意思だが、治療に結び付くようにしないといけない」と市職員健康課。

 飲酒運転との関連性が指摘されるアルコール依存傾向の職員をどう見つけ、支えるのか。高島宗一郎市長は15日、西日本新聞の取材に「痛恨の極み」とした上で、「職場や家庭でのフォローについて、なお一層の改善点がないか検証したい。飲酒運転撲滅の取り組みは続けないといけない」と述べた。

=2017/06/16付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:6/16(金) 9:49
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