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十勝の堤防 浸食に弱い 北海道防災・減災シンポで指摘 札幌

6/16(金) 14:50配信

十勝毎日新聞 電子版

 昨年の台風災害を教訓に今後の防災を考える学術シンポジウムが15日午後、札幌市の北海道大学で行われた。同大大学院農学研究院の小山内信智特任教授は、昨年8月の台風10号災害時に十勝管内の日高山脈で800カ所程度の山腹崩壊が起きたことを報告。戸蔦別川上流などの限られた場所では、「200年に1回」規模の降雨があったという解析結果を示した。

 「北海道防災・減災シンポジウム2017~2016年8月豪雨災害から我が国の国土形成を考える~」で、同大突発災害防災・減災共同プロジェクト拠点の主催。小山内特任教授と同工学研究院の泉典洋教授の基調講演とパネルディスカッションなどが行われ、約200人が参加した。

 小山内特任教授は、日高山脈の9渓流で発生した土石流について報告。ペケレベツ川では「上流の砂防えん堤で土砂が捕捉されて土石流形態は収まったが、一部の細かい砂が下流に流れ、離れた市街地付近に被害を及ぼした」と指摘した。

 泉教授は札内川や音更川などの十勝川水系の堤防の特徴として、「砂礫(されき)質の多い現地の材料で作られ、粘着力が弱く、堤防側面の浸食や越流浸食を受けやすい」と指摘。清水市街地付近のペケレベツ川が氾濫したことについて、は「上流で川底が削られた土砂が、下流で堆積して流れが変わったことで側岸の浸食を引き起こした」と発表した。

 このほか、奥野信宏名古屋都市センター長が特別講演を行い、防災対策として国土強靱(きょうじん)化について解説。民間企業の防災機能強化や地域活性化と結びつけた防災の取り組みの重要性を強調した。(塩原真)

十勝毎日新聞