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ベネッセ算数担当が解説 苦手単元TOP3のポイントと克服法

6/16(金) 16:00配信

ベネッセ 教育情報サイト

高学年になると、抽象的な思考や複雑な計算が求められる問題が増え、算数に苦手意識をもつ子どもが多くなります。ご存じのように、算数は積み上げの教科ですから、いったんつまずいてしまうと、中学校の数学も理解できなくなってしまいます。進研ゼミ算数の問題作成を担当する嘉村が、高学年がつまずきやすい単元と苦手克服のポイントを解説します。

子どもがつまずくポイントには傾向がある

高学年の算数の中で、特につまずきやすい単元のトップ3は、「割合」(5年生)、「分数の計算」(5~6年生)、「速さ」(6年生)です。それぞれ、子どもが難しいと感じるポイントと克服のためのヒントを見てみましょう。

■「割合」

苦手意識をもちやすい3つの単元の中でも、特につまずく子どもが多いのが、5年生で学習する「割合」です。割合では、次のような問題に取り組みます。

・400円は1000円の何割でしょうか。
・1000円の40%は何円でしょうか。
・シュートを20本打ち、5本が入りました。何割入ったでしょうか。

大人であれば、頭の中でサッと計算できる程度の問題かもしれません。しかし、子どもにとって、「○割」「○%」は初めて出合う概念であり、慣れるまでには十分に学習する必要があります。さらに、1000円の40%を求めるためには、0.4をかける必要があり、小数の計算が十分に理解できないとスムーズに解けません。割合の学習は、6年生では出てきませんが、中学校の数学では理解していることを前提として進むので、しっかりと習得するようにしましょう。

子どもにとって割合は難関ですが、日常生活に結びつけやすい分野でもあります。そこで家庭では、できるだけ生活の場面に置き換えて考えさせると理解が深まります。例えば、子どもと一緒に買い物に行き、「500円のお肉が3割引きになっているけれど、いくらかな?」などと質問して考えさせましょう。スポーツが好きな子どもなら、サッカーのシュートの本数とゴールの割合や野球の打率などを一緒に計算してみるのもよいでしょう。

■「分数の計算」

分数のたし算・ひき算は5年生、かけ算・わり算は主に6年生で学習します。分数の計算が難しく感じるポイントはたくさんありますが、例えば、次のようなミスが多く見られます。

・約分や通分の際に計算ミスをする。
・分数のたし算・ひき算、かけ算・わり算のいずれも、約分を忘れる。
・小数と分数が混在する問題で、小数を正しく分数にできない。またはその逆。
・分数のわり算では、わる数を逆数にしない(かけ算の方法で解いてしまう)。

分数の計算にはたくさんのルールがありますが、一つひとつのルールは特別難しいわけではありません。しかし、問題ごとに必要な全てのルールを正確に行うことは簡単ではなく、計算できたことに満足して約分を忘れたり、通分の過程で計算ミスをしてしまったりします。そのため、分数の計算の学習では、一つひとつの問題を丁寧に解いて確実にルールを身につけていくことが大切です。家庭で学習を見てあげる際には、そのことを心に留めておいてください。

■「速さ」

6年生で最もつまずきやすい単元の一つが、「速さ」です。この単元では、次のような問題に取り組みます。

・1200mを20分間で歩きました。分速何mでしょうか。
・分速60mで20分歩きました。何m歩いたでしょうか。
・1200mを分速60mで歩きました。何分かかったでしょうか。

一つひとつはそれほど難しくないのですが、頭の中がこんがらかってしまう子どもが多いようです。また、速さの学習の本質ではないのですが、20分を1/3時間に、1.2kmを1200メートルに、といった単位換算でつまずく子どもも少なくありません。

速さの学習では公式を覚える必要がありますが、その前に概念を理解することが欠かせません。日常の場面に置き換えるとイメージしやすくなるため、例えば、「家から学校まで歩いて5分くらいだよね。大体分速100mで歩くとしたら、道のりは何mくらいになる?」などと問題を出して一緒に考えてみましょう。また、新幹線などの乗り物や動物の走るスピードなどを調べて計算してみると、子どもにとっても身近で興味深いものに思えてくるはずです。

苦手意識をもたずに中学校に進学したい

上記の3つの単元は、いずれも中学校の数学でも必要な知識・技能になります。小学校の段階で「苦手」という気持ちをもたずに中学校に進むことが大切ですので、子どもがつまずいている場合は、根気強く丁寧にサポートしてあげてください。

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